3番手Modulo CIVIC、決勝も自信あり。伊沢拓也が感じた手応えとQ1で大草りきが抱いた悔しさ/第4戦富士GT500予選

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2024年08月03日 23:20  AUTOSPORT web

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予選で3番手を獲得した第4戦富士スピードウェイでの64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT
 2か月のインターバルを経て、シーズン中盤戦に突入した2024年のスーパーGT。富士スピードウェイで行われている第4戦のGT500クラスでは、ホンダCIVIC TYPE R-GT勢がトップ3を独占。なかでもGT500クラスの中で唯一ダンロップタイヤを装着する64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTは、今までにない手応えを感じていた。

 公式練習の早い段階からトップタイムを記録していた64号車Modulo。最後の専有走行でもタイムを更新し、1分28秒691を記録しトップのままでセッションを終了した。

 午後の公式予選ではQ1を大草りきが担当し1分28秒133で2番手につけると、ユーズドタイヤで走るQ2は伊沢拓也が担当し1分28秒572をマーク。合算タイムで2分56秒705となり、3番グリッドを手にした。

 公式練習の順位からは下がる結果となったが、「めちゃくちゃ上出来だと思います」と伊沢。今までにはなかったような手応えが今回は表れているようだ。

「フリー走行で1位でしたけど、他のクルマが予選に向けて良くなったのかもしれないですが……とにかく自分たちのやるべきことはやれたのかなと思います」

「今年は方向性の基準をしっかり持って開発していて、それに対して毎レースでステップを踏めていました。テストが何回かあったなかで、良い方向性を見つけて、それをレースウイークでしっかり繋げることができました。(今までは)テストが良くてもレースウイークになってダメになることがあるんですけど、それが出せたというところが、僕たちが開発しているところでは大きなステップだと思います」

 これまでのウイークポイントを克服する取り組みに注力してきて、今回ひとつの結果が出たという64号車。

「テストの時の感触に似せようということをテーマでやってきました。やっぱりタイヤも作る日が変わると、同じように作るには技術が必要ですし、クルマも気温や風向きが変われば、まるで別のクルマになります。そういうところの細かい部分で、僕たちが目標してきたことがすべてうまくいったなと感じでいます」と伊沢。

 さらに、決勝に向けても自信があるようで、「今回はロングランで行けると思って持ち込んできているので、予選でここまで上手くいくと思っていなかったところもありました。そういう意味で、明日の方が楽しみですけど、レースになると何が起きるか分かりません。まずは自分たちのやりたいことをやって、(その結果が)良くても悪くても、次につなげられれば良いのかなと思います」と、自信をみせていた。

⚫︎「負けた相手が相手だけに……めちゃくちゃ悔しい!」予選Q2担当の大草りき

 一方、Q1を担当した大草は、自身のアタックで納得できないところがあったのか、公式映像のインタビューでかなり悔しそうな表情を見せていた。改めて予選後に取材してみると「もう、悔しかったですよ!」と、まだ気持ちの面で整理がついていない様子だった。

 実はアタック中、ウォームアップ中の他車に引っかかったため、やり直しで計測を行なったとのこと。

「1回引っかかったので、アタックをやめて次の周に行きました。あれでちゃんとアタックできていたとしても、あまり(タイム的な)取り分はなかったと思います。それよりも……温めるタイミングをズラしてしまった自分に対しての悔しさです」と大草。彼の中で反省点が残ったアタックとなったようだ。

 ただ、それよりも強調して語っていたのが、Q1でトップを取られた相手がSTANLEY CIVIC TYPE R-GTの牧野任祐だったということ。「負けた相手が(牧野)任祐選手だったので、余計に悔しいというか……なんか嫌です」と大草は苦笑いをみせる。

 ふたりとも安田裕信が率いるカートチーム『HIROTEX RACING』の出身であり、以前からお互いを知る仲ではあるが、世代が異なるため直接レースをする機会がなかったという。今年はGT500クラスという同じ舞台に立つことができ、密かに牧野との直接対決を楽しみにしていたようだ。

「シビックの初勝利に貢献できればと思いますし、今日の悔しさは明日、晴らしたいですね。(牧野に)勝ってドヤ顔したいです!」と“打倒牧野”にかなり気合いが入っていた。

 また、伊沢と同様に今季の64号車パッケージの進歩を感じる様子で「何が良かったかと言われると難しいですけど、一番変わったのは『テストで良かったものを、そのまま持ってきて、レースウイークで同じ性能を出せた』ということです。その精度が今後上がっていけば、テストの結果がそのまま反映できるようになってくると思うので、いろいろな意味でポジティブです」と大草。

 改めて自身の予選について「今回は初めてトップ争いができるような予選だったので気負った部分はあったのですけど、僕が持てる力は出せましたし、大きなミスをしたわけではなかったので、そこは良かったです。でも、改善できるところがあると言えばあるので、そこは次戦に向けて取り組んでいきたいですね」と前向きに語っていた。
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