現行の10円玉が「6万5000円」に大化け! よ〜く見ないと分からない、高額になる貨幣の特徴とは

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2024年09月09日 21:21  All About

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8月10日に入札が終了した銀座コインオークション『第119回 入札誌「銀座」』から、傾打エラーコインと呼ばれる10円玉、5円玉、100円玉を取り上げます。10円玉は6500倍で落札されました。それはなぜなのか、解説していきます。
8月10日に入札が終了した銀座コインオークション『第119回 入札誌「銀座」』で、さまざまな「エラーコイン」が出品され、高額となるものも多数見られました。

今回はその中でもエラーコインとして気付かれにくい「傾打エラー」について解説していきます。

エラーコインの中でも気付きにくい「傾打エラー」。コインの状態と年号がカギ

今回実際に落札された10円玉は、単なる10円玉といってしまえばそこまでですが、表面と裏面の刻印の位置がずれている「傾打エラーコイン」と呼ばれるものです。今回の10円玉の場合、左に約100度も傾いて打刻されていました。

表と裏をしっかり確認しないと傾打になっているかどうかは分からず、他の「穴ズレ」などのエラーコインと異なりぱっと見では気付かれない点が難点ですが、立派なエラーコインであることには間違いありません。

この傾打エラーの10円玉は、5万6000円(手数料込みで6万5240円)で落札されました。10円玉が実に6500倍になったわけです。

このような傾打エラーコインは、今回のオークションでは他にも出品されていました。5円玉の左約120度傾打のものと、100円玉の右約40度傾打のものです。5円玉は2万7000円(手数料込みで3万1455円)、100円玉は3万1000円(手数料込みで3万6115円)での落札。

5円玉も額面の6300倍と高額落札、100円玉は360倍となっています。

この落札価格の違いは、おおまかにいえばコインの状態、年号、傾打の度合いによるものです。100円玉はシールを貼った跡があり、これが落札価格にマイナスとなったと考えられます。

しかしながら、平成元年のものであり、他の2枚の傾打エラーコイン(10円玉は昭和27年、5円玉は昭和39年)に比べて比較的最近のものであるため、エラーとなるコインの枚数は少なく、希少だと想像できます。これは製造技術の発達によるものです。そのため、最近の年号のものほどエラーコインは価値が高くなる傾向もあります。

どのぐらい傾打しているかでも価格は異なる

もう1つ、どれぐらい傾打しているかでも価格は異なってきます。今回のような100度や120度といった大きく傾いているものは価格が高くなる傾向にあるのです。また、発行枚数の少ない年号のエラーコインも高くなるといってよいでしょう。

ではどのように傾打エラーコインを探せばいいでしょうか。1つ1つ確認していくしかないのですが、例えばコインホルダーに入れて表裏を確認し、ずれていないかどうか探していく方法が考えられます。

他のエラーコインと異なり、手間はかかるかもしれません。しかしながら、数としては他のエラーコインと比べて比較的多く見つかっているのも事実です。たくさん貯まった貯金箱から硬貨を出す際などにまとめて探すと見つかるかもしれませんね。

<参考>
・第119回入札誌「銀座」Lot番号:463 10円青銅貨 昭和27年 約100度傾打(銀座コインオークション)
・第119回入札誌「銀座」Lot番号:478 5円黄銅貨 昭和39年 約120度傾打(銀座コインオークション)
・第119回入札誌「銀座」Lot番号:452 桜100円白銅貨 平成元年 右約40度傾打(銀座コインオークション)

伊藤 亮太プロフィール

慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
(文:伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド))

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