新卒の就職環境が過去最高の売り手市場といわれている。日経HR(東京都千代田区)の「日経転職版 新卒に戻って入りたい会社調査」によると、社会人経験者が「新卒に戻って入りたい会社」の1位は「三菱商事」だった。
2位は「伊藤忠商事」、3位は同率で「トヨタ自動車」「グーグル」、5位は「三井物産」が続いた。
1位の三菱商事に入りたい理由として「成長性、収入、業務領域ともに大きい」(40代男性、不動産)、「日本経済の要となる企業で、グローバルに事業展開している」(50代男性、専門商社)といった声があった。
「新卒で入ることができるなら、今(離職中の人は前職)の会社に入るか?」という質問では、「いいえ」(78.5%)が約8割となり、「はい」(21.5%)の3倍超となった。
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今の会社に入る理由は「教育体制が充実」「若くても高いポジションに付ける可能性がある」「ジョブ型雇用が進み、自分の望む職種や部門に就きやすくなった」などが挙がった。
一方、入りたくない理由としては「ワークライフバランスを考慮し業務負荷が軽くなったため、新卒の成長スピードが遅い」「買収による企業カルチャーの変化」など時代の変化を反映した回答や、「管理職にならないと給料が上がらない給与体系」「成熟市場で発展しにくい」など会社の閉そく感を指摘する声もあった。
「新卒に戻って入社するなら重視すること」の1位は「仕事内容」(56.1%)。以下「給与」(53.8%)、「職場環境・社風」(42.1%)、「スキルの習得・成長機会」(37.9%)、「会社や業界の将来性」(29.0%)が続いた。
日経HRは「働き方を見直したい転職希望者が重視する福利厚生、有給休暇などはトップ10に入らなかった。働きやすさやワークライフバランスも大切だが、仕事の経験のない新卒であれば、自分の成長につながる仕事やその機会がある方を選択して早く力を付けることを優先したい、と考える人が多いようだ」とコメントしている。
●子どものころに憧れていて今も憧れている職業
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「子どものころに憧れていて今も憧れている職業」を聞いた。
30代のトップは「宇宙飛行士」(14.5%)。JAXAによる宇宙飛行士の公募が話題になったように、宇宙には「未知なるものを開拓する」(30代男性、機械・メカトロニクス)魅力があるようだ。
40代のトップは「歌手・ミュージシャン・演奏家」(14.7%)。「感動を『音』で表現できる部分に憧れた」(40代男性、専門商社勤務)、「過去の習いごとを生かせる」(40代男性、食品・飲料)などの回答があった。中には「宇宙飛行士は今世ではあきらめた。歌手、俳優は今でもなりたい」(40代男性、公社・官公庁・独立行政法人)といった声もあった。
50代のトップは「パイロット」(17.9%)。「大きな乗り物への憧れ」(50代男性、その他)、「飛行機が好き」(50代男性、精密機器・計測機器)など、今もなお強い憧れを感じさせる回答が多く寄せられた。
インターネットによる調査で、対象は日経転職版の登録会員572人(男性78.5%、女性21.0%、未回答0.5%)。調査期間は10月9〜18日。
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