歌手の中森明菜が4日、来年4月に大分市で開催される野外音楽フェス「ジゴロック2025〜大分”地獄極楽”ROCK FESTIVAL〜supported byニカソー」に出演すると発表した。最近の明菜は動きを活発化させており、いよいよ完全復活の気配だが、なぜかテレビ復帰については一向に話が聞こえてこないようだ。
同フェスはダイノジ・大谷ノブ彦が発起人となり、今年3月に初開催された大型野外イベント。来年は4月19日〜20日に大分スポーツ公園で開催すると発表され、明菜は19日に出演する予定となっている。
明菜が野外フェスに出演するというのは驚きだが、日本テレビの取材に対して所属事務所は「古くからお世話になった方からお声掛けいただき、前向きに調整を行い、出演が叶いました」と説明。主催側によると、明菜の出演が発表された影響か、チケットの売れ行きは「今朝から大きく動いております」という。
明菜といえば、2018年から活動休止状態が続いていたが、デビュー40周年の2022年に再始動宣言。今年はYouTubeに投稿したセルフカバー動画が爆発的な再生回数を記録し、7月のファンクラブイベントで約6年半ぶりに観客の前で歌唱した。先日は元SMAPの香取慎吾と自身のヒット曲「TATTOO」をデュエットした音源がリリースされ、まさかのコラボで双方のファンを驚かせた。また、サンケイスポーツに復帰後初のインタビューが掲載されるなど、メディア対応も徐々にこなしていくようだ。
野外フェスにまで出演するとなれば、近いうちのコンサートツアーなども期待できそうで、活動の本格化に拍車が掛かりそうだ。
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その一方、テレビ復帰については具体的な情報がまったく聞こえてこない。一部では、大みそかのNHK『紅白歌合戦』に特別枠で出場するのではないかと推測されているが、明菜は12月27日〜28日に都内でファンクラブイベント(2日間で全4公演)の開催を控えている。『紅白』はリハーサルや打ち合わせなどの拘束時間が長いことで知られ、前回と同様に観客の前で歌を披露するとみられるファンクラブイベントと「掛け持ち」で準備を進めるのは体力的に難しいだろうと指摘されており、出場はないだろうという見方のほうが強いようだ。
民放各局も明菜の「復帰後初テレビ歌唱」を狙ってオファーを出しているというが、具体的に話が進んでいる気配はなし。音楽フェスへの出演を決めるくらいなのだから、テレビで歌えないわけではないとみられ、何らかの戦略なのではと推察する声もある。
そんななか、業界内でささやかれているのが「テレビに出ずに希少価値を高める作戦では」という説だ。テレビに出演すれば注目度は一時的に高まるが、すぐに消費されて熱が冷めてしまう恐れがある。そのため、テレビには見切りをつけ、ファンクラブイベントや音楽フェスなどの限られた場所のみで歌を披露し、神秘性やカリスマ性なども含めて価値を維持していく戦略ではと見る向きがあるようだ。
テレビ全盛期の80〜90年代に大スターとなった明菜が「テレビに出ない」という戦略を取っているのだとすれば時代の流れを感じるが、確かに現代ではそのほうが「伝説の歌姫」としてブランド価値が高まるように思える。ただそうなると、しばらくは明菜をテレビで見ることはできなさそうで、ファンとしては複雑な気持ちになりそうだ。
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