13.3型AI PC「HP EliteBook 635 Aero G11」で2カ月過ごして分かったこと 1kg切りの軽さでも納得のテストスコア

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2024年12月12日 18:21  ITmedia PC USER

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日本HPの13.3型ノートPC「HP EliteBook 635 Aero G11」

 8コア16スレッドで動作するRyzen 7 8840Uを搭載した13.3型ノートPCが、日本HPの「HP EliteBook 635 Aero G11」だ。前回触れた通り、1kgを切る軽量ボディーが魅力のAI PCでもある。


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●同じEliteBookシリーズでも細かい部分で違いが見られる


 業務で利用するアプリや環境を整える段階で気になったのは、従来使っていた同社の14型モバイルPC「Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)」と同様、キーボードのキーサイズや配置だ。


 主要キーこそ、実測で19(横)×18(縦)mmと小型ボディーながら広めなのだが、電源ボタンがDeleteキー(上)の左隣にあって押し間違えたり、カーソルキーのサイズが小さく、PageUp/PageDownキーも誤爆しやすい位置にあることだ。


 特にカーソルキーと、PageUp/PageDownキーはキートップが約19(横)×7(縦)mmと極小で、キーの形状からも分かるように隣接しているせいでミスタイプを誘発する。一方、タッチパッドのサイズは約115(横)×65(縦)mmとそれなりに確保されている。


 もう1つ、細かいところでオヤッと思ったのは、パームレストに「Poly Studio」のロゴがあるものの、ユーティリティーなどはプリインストールされていないことだ。


 HP傘下のPolyはビデオ会議システムを始めとして、ヘッドセットやイヤフォンなどを手掛けており、本機も細かな調整が行えるものと思っていたが、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)のようなサウンド回りの設定は行えなかった。また、内蔵スピーカーで一定以上の音量を出すと、本体が振動するのもサイズを考えるとやむを得ないとはいえ、やや気になった。


 とはいえ、ビデオ会議では相手の声を聞き取りやすく、内蔵のデュアルアレイマイクも大きな不満なく使えた。この辺りはPolyによるチューニングが施されているのだろう。


 ビデオ会議で気になる内蔵のWebカメラも、約500万画素と十分なものだ。CPUはNPUを統合したAMD Ryzen AIを採用しているだけに、「Windows Studio Effects」で自動フレーミング機能や背景ぼかし機能を標準で利用できる。


 Envy x360 Laptop 14(インテル)と同じように、特に設定を変えることなくPCから離れると画面がオフになり、前に戻ると自動的に画面が点灯しWindows Helloでログインまで行える。この間は非常に高速で、使い勝手の良さは特筆できる。


 ただし、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)にあった、液晶ディスプレイを照明代わりに使える「HP Enhanced Lighting」ユーティリティーは省かれていた。


●1kgを切る軽量ボディーながら長時間の駆動が可能


 本機が内蔵しているバッテリーは、容量が11.55V/43.3Whで、バッテリーの駆動時間は約11時間30分(MobileMark 25で計測)、JEITAバッテリ動作測定法Ver.3.0では動画再生時が約8.2時間、アイドル時が約13.8時間だ。また、充放電耐久に対応した長期利用設計(約1000回の充放電が可能)が施されている。


 PCMark 10/Modern Office Battery Lifeでのバッテリー駆動時間も、実測で約11時間24分と十分なスコアを記録した。これだけの動作が可能なら、ビデオ会議の量にもよるがACアダプター不要で1日仕事をこなせるだろう。


 付属のACアダプターはUSB Power Delivery(PD)対応で最大出力は65Wだ。30分でバッテリーを50%まで充電できるファストチャージもサポートする。ACアダプターの実測のサイズは55(幅)×95(奥行き)×23(厚さ)mmとコンパクトで単体の実測重量は275gだったが、付属の電源ケーブルは3ピンタイプで太く、ACアダプターとの合計重量は344gとかさばる。


 別途3ピンのL字型アダプターが付属するので、こちらを持ち歩けばかさばらずに315gまで軽量化できるため利用したい。


●軽量モバイルPCながら優れたパフォーマンスを発揮


 続いて、ストレージ回りのパフォーマンスを見ていく。


 評価機にはPCI Express 4.0 x4対応SSD(容量は512GB)を備えており、CrystalDiskMark 8を使ったテストではスコアこそ平凡ながら、実利用では十分な速度を確保しているのが分かった。


 システム全体のパフォーマンスをチェックするPCMark 10では、総合スコアで6386ptsをマークし、Envy x360 Laptop 14-fc(インテル)の5552ptsを大きく上回った。CINEBENCH R23(最低実行時間10分)のスコアは1万822pts、CINEBENCH R24は568ptsと1kg以下のモバイルPCとしては優秀な値だった。


 Windows 10の延長サポート終了まで1年を切っている(2025年10月)が、旧世代のノートPCを使っているならば本機に買い替えるだけで大幅な性能向上を実感できるはずだ。


 システムに負荷を掛けた際はそれなりに冷却ファンが回転するが、動作音はうまく抑えられている。ボディーの発熱は、厚さが約15.1mmとスリムなだけに高負荷が続くと熱くなるものの、手が触れるパームレストはじんわり暖かくなる程度で済む。


 HP EliteBook 635 Aero G11は、最新世代のCPUの電力効率を生かしてビジネスPCとしてバランスの良い製品にまとまっている。それでいてバッテリー駆動時間も長く、重量も1kgを切っているのが魅力だ。


 13.3型で1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10)表示に対応した液晶ディスプレイは、画面の輝度も最大400ニトと高く、極端な環境(夏の海辺など)でなければ晴天時の外でも画面内容の把握に困ることもない。また左右の視野角も広くて見やすく、ディスプレイの表示品質も良い。


 キャンペーンなどによって常に価格は変動しているが、原稿執筆時点の同社直販サイトでは18万7330円〜、CPUをRyzen 5 8640Uにしたモデルなら14万4430円〜となっている。最新のAI PCをこの価格帯で入手できるのはポイントだろう。


(製品協力:日本HP)



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