鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式/ルーキーテスト。2024年のスーパーフォーミュラ・ライツ王者である小出峻はこの日、2度のコースオフに見舞われたものの、スーパーフォーミュラマシンの習熟を着実に進めているようだ。
San-Ei Gen with B-Maxから3日間、今回のテストに出走する小出は、2日目午後のセッション4では1分36秒803という自己ベストタイムを記録。19台中13番手で、このセッションを終えた。
「今日はクラッシュもあり、SFの難しさを痛感しました」と小出。1度目はアウトラップの2コーナーでリヤが滑ってバリアにヒット、2度目は予選アタックシミュレーションの際のシケインで「ちょっとリヤが不安定な状態で内側の縁石にタイヤを乗せてしまい」スピンを喫していた。
小出は2023年のこのテストでスーパーフォーミュラのマシンを初体験しており、今回は2度目のドライブ。小出自身は、昨年からの違いを次のように語っている。
「2023年から(SF)ライツで戦ってきて、自分としては成長できたなと思っています。ライツよりもハイパワー、ハイダウンフォースなマシンではありますが、去年よりも攻めきれているという自身があって。クルマを感じ取る能力、それを操る技術だったりとかで成長できていると感じますので、ライツで走ってきてよかったなと思います」
今回のテストでは3日間6セッションをひとりで走り込めるという、ある意味贅沢な環境にある小出だが、元王者である本山哲監督の存在も、大きな助けになっている様子。ときにロガーを見ながら、ときにコースサイドで走りを見ながら、細かいアドバイスをもらっているという。
「いやもう、厳しいことも、厳しいことも言われます(笑)。でも本当に僕に足りないことをしっかりとアドバイスしてくれるので、すごくいいなと感謝してます。主にはドライビングの部分ですね。アウトから入ってインにつくという部分でも、本当に細かい、1ミリにも満たないようなところを指摘してくれて、いままで自分が感じていたセンサーよりも解像度がはるかに高いレベルのアドバイスをしてくれます。自分としては、そこのレベルで極めていかないと、スーパーフォーミュラという舞台では勝ち上がれないのかなと思っています」
「初日の午前に言われたことが2日目に向けて良くなっていれば本山さんも褒めてくれますし、それはすごく嬉しい。本山さんがアドバイスする全部を極めてやろう、という感じですね」
GT500へのステップアップが明らかにされた一方、スーパーフォーミュラへの参戦発表はされていないが、小出自身は参戦に向けてあらゆる面での準備を進めたい構えだ。
「背負うものも大きくなり、たくさんの人にも見られるようになり、いままで戦ってきた舞台とは大きく異なるので、自分としては本当に次元が違うレベルで身を引き締めて準備して、真剣に取り組まないといけません。来年に向けて、もういまからできる準備を最大限やりたいなと思っています」
テストはまだあと1日、残っている。「しっかり来年に向けて繋がるように頑張りたい」と小出は意気込んだ。