政府は10日の閣議で、秋葉剛男国家安全保障局長(66)を交代させ、後任に岡野正敬外務事務次官(60)を充てる人事を決定した。秋葉氏は菅義偉政権下の2021年7月に同局長兼内閣特別顧問に就き、約3年半務めた。局長退任後も内閣特別顧問は続け、石破政権の外交・安保政策に携わる。発令は20日付。
林芳正官房長官は10日の記者会見で、岡野氏について「外交・安保分野で豊富な知識と経験を有しており、適任だと判断した」と述べた。20日発足のトランプ米政権との関係構築、中国との関係改善、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の法整備などが当面の課題となる。
岡野氏は内閣副長官補と兼務して国家安保局次長を務めた経験もある。外務省出身の局長は初代の谷内正太郎氏、3代目の秋葉氏に続き3人目。
秋葉氏は国家安保局長として、反撃能力の保有を決めた国家安保戦略の策定や防衛装備移転の拡大などに関わった。
閣議では、岡野氏の後任となる外務次官に、政務担当の船越健裕外務審議官(59)を起用する人事なども決めた。
秋葉剛男 国家安全保障局長(外務省提供)