社会的孤独、動脈硬化を促進=「幸せホルモン」の減少影響―マウスで確認・慶応大

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2025年02月08日 14:01  時事通信社

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 慶応大などの研究チームは8日までに、社会的な孤独により脳の視床下部から分泌される「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの量が減少し、肝臓の脂質代謝異常を招いて動脈硬化が促進されることがマウスを使った動物実験で分かったと発表した。論文は米科学誌サーキュレーション・リサーチに掲載された。

 チームによると、社会的なつながりのない孤独状態は、精神疾患のほか、肥満や2型糖尿病などの発症要因となる。ヒトを対象とした臨床研究で心筋梗塞の発症率を高めることも報告されていたが、これまで詳しい仕組みは分かっていなかった。

 慶大の安西淳講師らは、同じ母親から生まれた兄弟マウスを単独飼いと4〜5匹のグループに分け、12週間観察。動脈硬化や脂質代謝異常などの発症リスクを分析したほか、オキシトシンが肝臓に与える影響を調べた。

 その結果、単独飼いのマウスは、グループと比べてオキシトシンの分泌量が少なく、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールが上昇して動脈硬化が進行していた。オキシトシンが肝臓の脂質代謝を制御し、悪玉コレステロールを腸に排出して減少させる働きを持つことも新たに分かったという。

 社会的な孤独は、1人暮らし世帯の増加や、新型コロナウイルスまん延期に他者との交流が減ったことで対策が急がれた。安西講師は「スキンシップが少ない人は、オキシトシンの量も少ないと報告されている。社会的なつながりを豊かにすることが、動脈硬化の原因となる脂質異常症の予防に重要だ」と話している。 

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  • mixiのつながりぐらいがちょうどいい。リアル頑張り過ぎると本当しんどい。
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