匠が手掛けた日本庭園。完成から約4年が経つとどうなるのか、その気になる変化を追ったビフォーアフター動画が、YouTubeチャンネル「Kanai Style」で公開されました。動画は記事執筆時点で3万2000回以上再生され、静かな冬の庭の魅力にも注目が集まっています。
動画に登場する、日本庭園を手掛けた庭師は金井良一さん。テレビ東京の伝説の番組「TVチャンピオン」のガーデニング王選手権を4連覇し、テレビ朝日系列のTV番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」にも出演するなど、数々の実績を誇る庭師歴50年超のガーデンアーティストです。
今回紹介する日本庭園は、2020年9月に配信された動画「手付かずの庭を切り拓く」から金井さんの庭づくりに密着し、完成までの過程を公開した個人宅のお庭です。
まずはかぶき門から見ていくと、こちらは完成から約3年が経ち、扉の木材や門袖のモルタルなどが色があせていました。金井さんが「これでやっと日本庭園に馴染んできた」と言うように、グラデーションのある淡い色味がなんともすてきです。
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門の両脇に植えた植物にも変化が。手入れをして形を保っている松に対して、反対側の竹は新しく生えて量が増えたことで雰囲気がよくなっています。
中のお庭を見ていくと、植物の成長と同時に、色あせた竹垣や筧(かけひ)の変化が目に入ります。それもまた味がありますが、これらは基本的に数年ごとに作り替えるものであることも伝えています。手水鉢などはより自然に近い風合いになっていい感じに。
池のある主庭は大きくは変わらないものの、完成直後は細かった中央の松は太さが出て立派に。こちらは大きくなりすぎないように手入れで抑えているとのことでした。
主庭は定期的に手入れをしていることもあり、パッと見で大きな変化はありませんが、よく見ると池の中には藻が生えていました。ちなみに冬の間のすすきは穂だけ刈り、枯れ葉をあえて演出として残しているのだそうです。
一番大きく変わったのは、主庭に設置した光悦寺垣(こうえつじがき/京都光悦寺発祥の格子を組んだ垣根)。元は自然木の柱でしたが、虫に食われてしまったためモルタルで擬木に。また上部に使用されたしゅろ縄も今後ボロボロになってきたら取り替え時とのことでした。一方で、状態を保つのが難しい竹垣はプラスチック製の竹を使ったので特に変化なし。やはり自然素材を使ったものは4年以上経つと、補修や作り替えが必要になってくるようですね。
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完成当時のお庭を維持しようと考えると大変に感じてしまいますが、金井さんは変化していくことが「庭」ということだとして、「守っていくという事じゃないと思っております」と語っています。
コメント欄では「変化していく様子をも楽しめるお庭素敵ですね」「冬は春が来るまで耐え忍ぶ植物がいじらしい侘び寂びの景色ですね。春がやって来るのが待ち遠しい…」といった声から、海外から「美しい」「この庭の伝統的な日本の雰囲気が大好き」などの声も寄せられています。
この日本庭園ができるまでの記録は、同チャンネルの再生リスト「第1章」/「第2章」で見ることができます。また、金井さんのInstagram(@kanai_style)でも情報を発信中です。
動画提供:YouTubeチャンネル「Kanai Style」さん
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