トランプ政策で不透明感一段と=雇用は底堅さ維持も―米

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2025年02月08日 21:01  時事通信社

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時事通信社

 【ワシントン時事】7日発表された1月の米雇用統計では、失業率の低下など労働市場の底堅さが続いていることが示された。ただ、トランプ米大統領が掲げる高関税政策や政府機関縮小などの影響は依然読み切れず、経済の先行き不透明感は一段と高まっている。

 1月の失業率は4.0%と、前月から0.1ポイント低下。2カ月連続で改善した。クグラー連邦準備制度理事会(FRB)理事は講演で、雇用統計は「健全な労働市場に見合った」水準との見解を示した。

 もっとも、トランプ氏の政策を巡る不確実性は先月の政権発足以降、むしろ高まっている。4日に予定されていたメキシコとカナダに対する25%の関税発動は土壇場で1カ月延期されたものの、主要貿易相手国への容赦ない高関税が用意されたのは事実だ。ボストン連邦準備銀行のコリンズ総裁はテレビインタビューで「これほど大規模で、極めて幅広い関税導入はあまり経験がない」と述べ、警戒感を示した。

 ボストン連銀の分析によると、実際に発動された中国への10%の追加関税と合わせ、3カ国への新たな関税導入は、変動の激しいエネルギーと食品を除いた米国のコアインフレ率を最大0.8ポイント押し上げる可能性がある。インフレが再燃すれば、消費者心理を冷まし、FRBは高金利を維持せざるを得ない。

 トランプ政権は、人員削減を含む政府機関の規模縮小ももくろむ。ただ、米シンクタンク「都市研究所」はリポートで、連邦政府職員の大幅削減は、軍関連施設などを抱える地方の失業率上昇といった「幅広い影響がある」と予想した。

 FRBのクグラー氏は「(トランプ政権の)新たな政策の経済的な影響は相当不透明だ」と明言。政策金利の検討では「こうした動向を綿密に見極める」と、様子見姿勢を強調した。 

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