「片付けられない。人付き合いができない」生きづらさは脳のクセのせい!心が軽くなるコツとは?

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2025年02月11日 09:20  女子SPA!

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女子SPA!

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片付けられない。人付き合いができない。みんなができているのに、私だけいつもできない。それって私が悪いの?

いいえ、それは脳の仕組みによるものかもしれません。

◆人と違うのは悪いこと?

『もしかして発達障害?「うまくいかない」がラクになる』(主婦の友社)は、様々な人が抱える生きづらさを37症例に分け、対処方法を提案しています。著者は精神科医の司馬理英子先生。

「発達障害は脳の機能のアンバランス。生まれつきの『クセ』といってもいいかもしれません」と司馬先生。「能力が低いわけでも、性格や人間性に問題があるのでもありません」。そう聞くと、ホッとしませんか。

どうして私だけ?と悩んでいた違和感や孤独感は、少し思考を切り替えるだけで解消へと向かうのです。

◆あなたはあてはまる?発達障害3つのタイプ

発達障害は主に3つに分類されます。それぞれの特徴を本書から簡単にまとめました。

・ADHD(注意欠如・多動症)
不注意で落ち着きがない。衝動的に行動する。根気が続かない。時間が守れない。

・ASD(自閉スペクトラム症)
自分の考えに固執する。全体が見えず、空気が読めない。気持ちをうまく伝えられない。

・SLD(限局性学習症)
「読む」「書く」「話す」「計算する」などの特定の学習が苦手。

これらのタイプが複数にまたがる人もいますし、各々の特徴が顕著にあらわれる人もいれば、やんわりと特徴が出る人もいます。

「あてはまりそう」と思ったあなた。日常でよくあるパターンを知って、心の守備を固めておきませんか。

◆やるべきことがいつもあと回し

「ADHD(注意欠如・多動症)かも?」と疑う症状でわかりやすいのが「片付けられない」そして「やるべきことがついついあと回し」。

シンクにたまった洗い物、床で山になった洗濯物。これらを目の当たりにすると「めんどうだなぁ」というスイッチが勝手に作動してしまうのです。そうなると、脳が自動的に「楽しいこと」を探しはじめます。

SNSやYouTube、脳の特性によって「今やりたいこと」を最優先して、あっという間に夜。時間の経過とともに自己嫌悪に陥ってしまう、この繰り返し。

とはいえ、人が生きる上で大切なのも「今を楽しく生きること」。こうなったら「今の楽しみ」を追求するために工夫するしかありません。

本書が提案するのが「ホワイトボードをフル活用して、やるべきことを書いておく」「食洗器を使う」「洗濯物はたたまない」「家事は家族で分担する」。

ラクできるところはとことんまでラクをして、家事のハードルを下げるのです。「めんどうだなぁ」をひとつこなしたら、「できたじゃん!えらい!」と自分をほめてあげましょう。

◆同時に2つ以上のことができない

「ADHD(注意欠如・多動症)の人はマルチタスクが苦手」ともいわれています。「ワーキングメモリー(記憶のお盆)が小さいため、記憶の容量が少ない」という脳の性質があるからです。

この性質を理解し、「ひとつを終わらせてから次にとりかかる」を基本にするのがベター。

多動性と衝動性を兼ね備えているので、目新しく興味のあることに飛び込みがち。ワクワクした気持ちでアイデアを連発し、集中力もマックスまで跳ね上がりますが、続けるのは難しいのです。

良い面と改善したい面を考慮し、「音楽を決めて、1曲終わったら次のことをする」など決まりを作るのも手です。あれもこれもやる!というように、目標は欲張りすぎず、適度にゆるく設定しましょう。

◆気がつけばいつもひとり

「ASD(自閉スペクトラム症)の人は、人との関わり方が独特」だといいます。

人との距離の詰め方がわからず、グイグイと圧の強い人もいれば、何を話したらいいかわからない人もいるといいます。どちらも悪気はなく、むしろ本人は困っているのです。

飲み会などの集まりで、気がつけばいつもひとりでポツンとしている人は、「受動型のASD」かもしれません。自分からは人と関わらず、話しかけられたら受け答えはしますが、内心では困惑マックス。どういう風に人間関係を築いたらいいか、ほどよい距離感がつかめないため、お昼休みなどの何気ない雑談も必要以上に疲弊してしまいます。

このタイプは最初から「あんまりしゃべらない人」とカミングアウトしてしまのはいかがでしょう。「おしゃべりは苦手ですが、みなさんのお話を聞いているのが楽しいです」と打ち明けて、聞き役に回ってしまうのです。

大切なのは「話さなければならない」という自らに課すプレッシャーを取り払うこと。あるいは、飲み会の席などでは「写真や動画を撮る役割」など、率先して引き受けてしまうのもいいですね。こうすれば、無理に話さずとも苦にはなりません。

◆「ノー」と言えない

「子供の頃から、親や先生、友達の言うことに黙って従ってきた」。こんな人の中にも「ASD(自閉スペクトラム症)」の受動型がいます。幼児期からずっと相手に従ってきたので、自分の気持ちを開示したり表現するのが苦手なのです。

何かを頼まれた時の選択肢はつねに「YES」。これではストレスが溜まってしまいますし、相手方の思うツボ。損な役回りからも、面倒な押し付けからも、臆せずに逃げる術を身につけましょう。

回答には「YES」と「NO」の他に「保留」があります。「保留」の言葉をいくつか常備するだけで、かなり心が軽くなるはずです。

たとえば「少し考えます」、「家族に相談してみます」など。または「夫が決まったもの以外嫌がるので」と、人のせいにしてしまうのもひとつの方法と本書。そこにいない人のせいにしてしまうことで、自分を守ることもできるのです。

◆短所と長所は表裏一体

「発達障害の私は普通ではない」。そんな風に考えて、自分の心にふたをしてしまう方はいませんか。

でも「普通」ってなんでしょう。「明るくて話しやすい人」を「さわがしくてしつこい人」と評する人もいます。

人の見方は千差万別で、短所は長所に成り得ますし、その逆も然りです。「空気の読めない人」を「意見をはっきり言ってくれる人」と認める場合だってあるのです。

他とは異なるかもしれない特性を、貴重な個性として生かす知恵を、本書から学んでみませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

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