東証プライム市場に上場し、記念撮影に応じるJX金属の役員ら=19日午前、東京都中央区 非鉄大手のJX金属が19日、東証プライム市場に上場した。終値は1株874円と、公開価格の820円を約7%上回った。終値を基にした時価総額は約8100億円と、今年度では昨年10月上場の東京地下鉄(東京メトロ)、同12月上場のキオクシアホールディングスに続く規模となった。
JX金属は旧日立鉱山(茨城県日立市)にルーツを持ち、銅鉱山の開発や製錬、リサイクルなどを手掛ける。近年は金属加工技術を生かした半導体材料や情報通信材料に注力している。
林陽一社長は記者会見で「装置産業型から技術立脚型企業への転身を進め、高収益体質を実現したい」と述べた。初日の株価については「市場環境があまり芳しくない中、成長ストーリーに期待して投資してもらった」と評価した。
JX金属はENEOSホールディングス(HD)の完全子会社だったが、上場に伴い持ち分法適用会社となる。ENEOSHDは、株式売り出しで得た資金を液化天然ガス(LNG)事業への投資などに充てる見込み。

東証プライム市場に上場し、セレモニーで鐘を打つJX金属の林陽一社長=19日、東京都中央区