限定公開( 9 )
着火ライター、野球ゲーム、クレジットカード、ペンダント――一見すると関連性のないこれらは、カシオ計算機(以下、カシオ)が実際に「電卓」に取り入れてきたものだ。
【画像8枚】「着火ライター」付き、クレジットカード型、相性占い機能付き……今では考えられないカシオ電卓の「名機」たち
カシオは、世界初となるメモリー機能を備えた同社の電卓「001」の誕生から60周年を迎える。累計出荷台数は18億台に達し、国内における電卓シェアの約60%を占めるというカシオの電卓。現在はスマホなど、電卓機能を代替する存在も多い。ところが、電卓の需要は底堅いと佐藤智昭事業部長は話す。
「何か計算をしたいと思った時、PCをわざわざ立ち上げる人は少ない。スマホでも計算はできるが、ボタンを押した感覚がないため、正しく計算ができているか不安になる人もいる」(佐藤事業部長)。こうした物質的な信頼性もあり、今でも電卓を愛用する人は少なくないという。
とはいえ、電卓の製造数は2010年代中頃にピークを迎えている。そこで力を入れているのは、カシオが「GAKUHAN」と呼ぶ学生・教員向けの販売だ。特に海外では欧米を中心に関数電卓を中学・高校の必須ツールとして使用していることもあり、主要な販売先となっている。
|
|
●「毎年2200万人の新入生がカシオ電卓を使っている」
「毎年2200万人の新入生がカシオ電卓を使っている」と佐藤事業部長は手応えを語る。海外の売上高構成比は23%、展開地域は100カ国に及ぶという。
60年の歴史の中で、カシオはさまざまな電卓を世の中に投入してきた。現代のわれわれから見れば巨大な「初号機」から、計算結果をロールペーパーに印刷するプリンタ機能付き電卓、世界初となるパーソナル小型電卓など、世の中に大きな影響を与えた製品もある中、冒頭に紹介した「変わり種」も多い。
カシオ創業者の邸宅であった樫尾俊雄発明記念館(東京都世田谷区)では3月25日〜5月9日にかけて、これらの隠れた名作約40モデルを一般向けに公開する。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。