SNS上で注目を集めた投稿について、その背景をあらためて取材する「バズ投稿のウラ話」。今回は、2025年1月にInstagramで話題になった、普通の「物置」をメルヘンな雰囲気に大変身させたDIYについて、制作したササっとさんにお話を聞きました。
ササッとさんは、自身のInstagramで自宅のガーデニングやDIYの様子を発信しています。話題になったのは、庭に設置されたアンティーク調でメルヘンな雰囲気の「小屋」の正体が、実は物置にペイントしアレンジしたものであることを紹介した投稿です。
この“小屋”は、もともとはブラックやグレーのシックな色づかいのタクボ物置(田窪工業所製の物置)で、“かわいい”要素からは程遠いものでした。
そんな物置を、アイボリーや水色に塗り、ヴィンテージウッドのような模様を描きました。
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さらに100円ショップで購入したブリキフレームの「窓」、ホームセンターの断熱材「スタイロフォーム」を塗装してつくった「窓枠」のそれぞれに磁石を取り付け、塗装した“物置”に貼り付けていきます。
そして、さまざまなアンティーク調の小物で装飾し、庭の雰囲気となじませていったのです。最初の無機質な物置のイメージから一転し、メルヘンな雰囲気の「小屋」が完成しました。
古材(ヴィンテージウッド)でできたドアのように見えるのは、ペンキで模様を描いた引き戸で、窓や窓枠は金属製の外壁に磁石で貼ったものなのです。
●見る人に伝わる“楽しさ”
投稿は95万回以上再生され、約2万4000件のいいねを獲得。コメント欄では「すごい! 窓と思ってたものがくっついてただけやし、窓枠の木枠もくっついてた! オシャレで、めちゃくちゃ可愛いですねー」「見た目重視の物置の変容! その手があったんですね〜目からウロコです」など、発想に驚く声が多数寄せられていました。
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また、「これは!! NICE発想ですね! 我が家のどこかでまねをしたくなりました!!(こういう時の思考って楽しい)」「私も物置だけが浮いてしまうので色を塗るか思案していましたがこの方法ならカスタマイズできるし何より楽しいですよね」など、自分もやってみたいという声も多くありました。見た目だけでなく、飾りつけの過程の楽しさも伝わっているのかもしれませんね。
ねとらぼ編集部では、投稿者のササッとさんに、あらためてメルヘンな小屋やガーデニングへのこだわりについて話を聞きました。
●目指すイメージはあの映画の舞台
――物置をここまでかわいらしく変身させるまでの作業時間はどのくらいでしたか
ササッとさん: 物置自体の塗装に3日間、板壁と花壇に10日間、窓枠と小屋根で10日間かかりました。それぞれ時間差で作っていて、長いと半年空いていたこともあります。板壁と花壇を作ったころはコロナ禍で3カ月ほど仕事がお休みだったので、花壇の前の池、小道、川、柵、ドアなどを同時進行で一気に作りました!
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イメージが固まったら作り足して、もっと可愛くもっと可愛く!! と欲が出て、今の形になっています。作り直したり、作り足せるのがDIYの醍醐味(だいごみ)です!
――苦労したところやこだわったところを教えてください
ササッとさん: 全くの知識のないところからどうやったら理想の形になるかを調べたり、思いつくまで考え続けたりする「始めるまでの下調べ」に苦労しました。ネットで検索すれば何でも分かる時代ですが、やってみた人に聞いてみたり、見せてもらったり、図書館で本を借りたりするアナログな部分から多くを学びました。
こだわりはもちろん小屋への擬態っぷりです。タクボ物置とバレないように、スタイロフォームの窓枠や100均アイテムで作ったライトなど、金属のタクボ物置には決してなさそうなアイテムをつけて、完璧に小屋に偽装することにこだわりました。
――投稿が話題になった際の心境について教えてください。コメントなどで寄せられた反応で、印象に残っているものはありますか
ササッとさん: まさかまさかの大反響でただただ驚いてます!! みなさん「え?これ、塗ってんの!? 窓が取れた!?」と、まんまとタクボ物置にだまされてくれたので、ドッキリ大成功でガッツポーズするような心境ですね(笑)! たくさんの方から「マネしたい!」「塗ります!」とコメントをいただいたので、全国になんちゃって小屋が増えるかと思うと楽しいです。
田窪工業所さんには叱られちゃうかなーと思っていたら、「投稿を拝見し、物置はただ物を収納する場所ではなく、アイデア次第で個性的な空間を演出できるのだと改めて実感いたしました。DIYの楽しさ、そして物置の可能性を多くの方に伝えていただき、本当にありがとうございます。弊社の社内でも大変話題になっており、社員一同、ササっとさんのセンスと技術に脱帽しております」と、予想に反してうれしいお言葉をいただけました。ずっと相棒のつもりで庭づくりをしてきたので、まさか本家から褒めていただけるなんて感動しました!
――メルヘンな小屋ともよく合うガーデニングにもこだわりを感じられます。お庭の目指している姿やイメージはありますか
ササッとさん: 風景を切り取ったような自然な庭づくりを目指しています。具体的には映画「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくる「ホビット庄」をイメージしていて、小人や妖精が住むような魔法の庭が理想です。丸ごと自然な状態に近づけたいので、ビオトープを作って生き物を呼び込むようにしています。水の流れやそこに集まる生き物にも癒やされています。
ササっとさんのInstagramでは、他にもガーデニングやDIYに関する解説を幅広く投稿しています。
動画・画像提供:ササっとさん
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