今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【検証】アクを取る工程、意味あんの?』という青海(おうみ)さんの動画です。
煮込み料理や鍋料理で登場する「灰汁(アク)を取る」という工程は必要なのか、投稿者の青海(おうみ)さんが検証します。
レシピに従い何となく取り除いているアクには動物性のアクと植物性のアクの2種類があり、その成分は異なるそうです
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動物性のアクの主成分はアミノ酸と脂質。肉や魚に含まれるたんぱく質が温められることで凝固したものです。
旨味成分は多いのですが、その分風味が強すぎたり臭みがあったりするのでそれを嫌う料理の場合はアクを取るケースが多いとのこと。また、見た目が良くないというのも取る理由の1つだそう。逆にイタリア料理ではあえてアクをソースにすることもあるのだとか。青海(おうみ)さんによるアクの説明に「なるほど」の反応が大量に寄せられます。
臭みやエグみを除去する意味では動物性と同じですが、植物性のアクは生物の体に悪影響を及ぼす物質が入っているのだそうです。
植物性のアクの正体は草食動物から身を守るための防御物質。生物の体に悪影響を及ぼす聞くと植物性のアクは除去しなければならない気がしますが、実際のところは人間にとって美味しければ食べるし、不味ければ除去しているとのこと。
アクを取らない刺激性の植物の例としては、ハーブや香辛料があります。青海(おうみ)さんが調理している玉ねぎも多くの動物にとっては毒ですが、人間は食べていますね。ここは摂取量や体質などの兼ね合いでもありそうです。
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動物性のアクの検証として作るのは豚丼。
臭み消しのお酒とみりんを少々入れたら、豚肉を投入。醤油とニンニクで味付けします
アクをしっかり取り除いて、豚丼の完成です!
丁寧にアクを取り除いたのでスープが透き通っている豚丼。味はしっかり美味しく、変な臭みもエグみもありませんでした。
しいて物足りない点を挙げるとすれば、ご飯が無いところ。炊き忘れたそうです。
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続いてはアクを取らなかった豚丼を食べてみます。アクを取らないともっとスープが濁ると思っていましたが、見た目の違いはほとんどありません。
食べても同様に美味しく「味の違いがわかりません!」の感想が。
「ここまで味の違いが無いのであれば、アクは取らないのが得策かもしれない」と青海(おうみ)さん。昨今の精肉技術で肉自体に臭みが無いことと、アクを取ることで旨味が減る可能性があるからだそう。ただし、魚の場合はその限りではないとのことです。
次は植物性のアクを検証します。作るのは「ふろふき大根」。具材が大根だけのシンプルな料理なので、アクの有無による違いがダイレクトに感じられると考えたからです。
ちなみに、動物性の場合は「アク取り」で植物性の場合は「アク抜き」と呼び方が異なるとのこと。
アク抜きに使うのは米のとぎ汁です。とぎ汁が大根から出るアクを包み込んで戻らなくしたり、米のデンプンと大根のジアスターゼという成分が反応して糖になるのだとか。エグみを除去して甘みを追加してくれるとは、色々メリットがありますね。比較用の下茹でには何も入っていません。
沸騰してくるとアクの出方の違いが一目瞭然です。あとは出汁を入れて煮込みます。
「つけてみそかけてみそ」の亜種という「献立いろいろみそ」をかけて、ふろふき大根の完成です!
まずはアク抜きをしたほうからいただいたところ、「上品な甘みがあってとても美味しいです!」と青海(おうみ)さん。甘さあり、大根特有の臭みが全く無いのだそうです。
そしてアク抜きをしていない大根はえぐみが凄かったとのこと。
今回の検証の結果得た知見は、「肉のアクは旨味、野菜のアクはエグみ」でした。そして魚のアクはおそらく臭みだろうとのこと。
このあと炊いたご飯のことを忘れていたことに気付き、冷蔵庫の中がラップで包んだご飯まみれになったという青海(おうみ)さんの検証は、料理の参考になるものでした。解説の詳細に興味を持たれた方はどうぞ動画をご視聴ください。
視聴者のコメント
・正直気になってたから助かる
・そんな違うのかw
・細かい味付けが分かる奴は絶対にやった方がいい
・米のとぎ汁って昔の事調べるとかなり万能だよなw
・人間の解毒能力はかなり凄い。ペットの忌避食品なんか見るとよく分かる。特にアボカド。
・今回はためになったなぁ
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【検証】アクを取る工程、意味あんの?』
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