決算記者会見に臨むJDIのスコット・キャロン会長最高経営責任者(CEO)=15日午後、東京都港区 経営再建中の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)は15日、国内で1500人程度の人員を削減すると発表した。同日発表した2025年3月期の連結純損失は782億2000万円(前期は443億1300万円)と、11期連続の赤字。約2600人の国内従業員を4割程度に減らし、固定費の削減を進める。
スコット・キャロン会長最高経営責任者(CEO)は、業績不振に対する業務執行の責任を取って6月1日付で辞任。代表執行役社長CEOには生産・品質本部調達統括部の明間純統括部長が就く。
キャロン氏は6月21日開催の定時株主総会などでの承認を経た上で非執行の取締役会長に就き、無報酬で経営サポートに当たる。東京都内で記者会見したキャロン氏は「経営悪化により、株主や取引先、従業員に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」と陳謝した。
茂原工場(千葉県茂原市)の液晶パネル生産を26年3月をめどに終了することなどに伴い、希望退職者を募る。募集期間は25年6月16日から同8月25日。海外子会社でも人員を削減する。
25年3月期の売上高は前期比21.4%減の1880億円、本業のもうけを示す営業損益は370億6800万円の赤字(前期は341億4500万円の赤字)だった。26年3月期の業績予想は、再建策の確実性が不透明として公表を見送った。

記者会見で陳謝するJDIのスコット・キャロン会長最高経営責任者(CEO)(右端)ら=15日午後、東京都港区

JDIの明間純生産・品質本部調達統括部統括部長=15日午後、東京都港区