
【動画】恋人の死を予感し、立ち去る横顔から目が離せない『突然、君がいなくなって』本編映像
アイスランド・レイキャビクの美大に通うウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、2人の関係は秘密だ。彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人クララがいるのだ。ある日ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ、帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れて―。
これまで3作の長編映画でカンヌ、サン・セバスティアン、ロカルノなど数々の国際映画祭の賞や招待を受け、短編映画『Two Birds』ではアカデミー賞にノミネートされるなど、世界的に注目を浴びるルーナ・ルーナソン監督。今作では誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかでの個と個の儚くも美しいつながりを、真っすぐに描き切る。
秘密を抱えた主人公ウナを演じるのはエリーン・ハットル。親密さをもった繊細且つ力強い演技で、25年ベルリン国際映画祭にてヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞している。
場面写真は、仲間を失った若者たちが寄り添い合う姿や、その先にある新たな絆の兆しなどが切り取られたもの。小さいころから一緒に過ごしてきた幼なじみのなかに、1人の青年を失った悲しみという共通点で飛び込んだ主人公ウナの孤独な心が徐々にほぐされ、表情がさまざまに変化する様子がみてとれる。さらに、ぎこちなく励ましの言葉をかける父とのささやかなやりとりや、“恋人の恋人”であるクララと電動キックボードに乗るシーンも。ウナとクララは心の中でなにを思うのか…。
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台詞はなく、人々の喧騒とウナの嗚咽、そして彼女の表情や後ろ姿、立ち去る横顔だけが物語る。果たして彼女は、恋人の安否の真相に向き合うことができるのか。誰にも言えない秘密を抱えながら周囲と関わり合っていかなければならない彼女の、声にならない叫びが聞こえてくるような真に迫る映像となっている。人物に寄り逃げのないカメラワークで撮影された、ルーナソン監督や撮影監督のソフィア・オルソン(『サーミの血』)のこだわりを感じさせるシーンだ。
映画『突然、君がいなくなって』は、6月20日より全国順次公開。