スーパーフォーミュラの“一斉ピット”問題に上野禎久JRP社長が言及。FCY導入含め「慎重に検討」

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2025年05月17日 16:30  AUTOSPORT web

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第4戦の1周目終了時の一斉ピットインの様子
 5月17日(土)、大分県のオートポリスで行われたJRP日本レースプロモーションの定例記者会見『サタデーミーティング』のなかで、現在のスーパーフォーミュラにおいてセーフティカー(SC)導入時に生じる“一斉ピットイン”の問題について、上野禎久社長が言及する場面があった。

 2025年のスーパーフォーミュラでは、1イベント2レース制の際の土曜日のレースでは10周目から、それ以外のレースでは1周目から、レース中に義務付けられたドライタイヤの交換が可能となっている。

 鈴鹿での第1戦ではウインドウがオープンとなる10周目のタイミングで、もてぎでの第4戦では同じく1周目にセーフティカーが導入中となったが、ここで多くの陣営が一斉にピットへと向かうことになった。

 改めて確認しておくと、セーフティカー中にピットに入れば、ピットインせずにステイアウトした車両がコース上でスロー走行している間にピット作業を消化することができ、またその隊列に追いつくことができるため、ロスを最小限に減らして義務を遂行できる。

 ただし、この一斉ピットではピットレーンの混雑という安全上の問題のほか、2台がエントリーするチームでは後方を走るマシンが前方のマシンと同時にピットに入っても待ち時間が発生するため、2台目の車両は事実上ステイアウトせざるを得なくなる、という戦略上の不公平が生じる要因とも指摘されていた。

 この影響もあってもてぎでチームメイトを上回ることができず2位となった牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、レース後の記者会見でSC導入時にピットクローズとすることや、フルコースイエロー(FCY)を規則として導入することなどを提起していた。

 オートポリスの記者会見で、この件に関して規則変更を含めた今後の可能性を問われた上野社長は、「慎重に議論しています」と、ルール変更の可能性も視野に入れた検討が始まっていることを認めた。

「ただ、それをどうするかという結論は、(現時点では出て)ないです。SCが入ったときのピットインを制限すべきかそうでないか、もしくは、無効化(=SCなどの非競技化)のときのピットをカウントすべきかどうかというところも含め、いろいろと議論をしていますが、シーズン中に、速やかにルールを変更する、というところには至っていません。著しく安全性を毀損する場合に関してはシーズン途中で変更する場合もありますが、現時点では変更する予定はありません」

 さらにFCYをスーパーフォーミュラに具体的に導入する考えに関しても、「キレの悪い回答になってしまいますが、現時点で決まったものはありません。当然、検討はしています」と述べるにとどめた。

「(参戦各車の)GPSも確認できていますし、おそらく技術的にはできます。ただ、これが100%公平に我々が運用できるかといったら、まだノウハウがない。ですので、これはいま慎重に議論・検討していっているところです」

 FCYの導入では、80km/hなど規定速度まで落とすタイミングで、どの程度の誤差を許容するか、それをどう監視して運用するかなどの面で、課題は生じることになる。関係者からはその他さまざまな解決策や意見も聞こえてくるなか、今後議論はどのような方向へと進んでいくのだろうか。

[オートスポーツweb 2025年05月17日]

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