TOKIOの国分太一(50)が20日、コンプライアンス違反があったとして無期限で全ての活動を休止すると、株式会社TOKIOなどの公式サイトで発表された。約30年間レギュラー出演していた日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」の降板も決定。放送する日本テレビが緊急で会見を行ったが、プライバシーの保護を理由に、事案についての詳細な説明はされなかった。番組自体は今後も継続されるが、真相が不明瞭なまま会見は終了した。
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コンプライアンス上の問題行為発覚で無期限活動休止となった国分をめぐる日本テレビの動きは、迅速かつ異例の対応だった。国分は他局に個人で出演するレギュラー番組も持っていたが、5月末の問題把握後、約3週間かけて調査を行い、すぐさま社長直々に対応したのは日テレのみ。「ザ!鉄腕!DASH!!」という約30年間にわたって局を支え、国民にも親しまれてきた看板人気番組に起こった“降板劇”であること、そして「ガバナンスをきかせた判断をする必要がある」として福田社長は報道陣の前に立った。
昨今のフジテレビ問題に加え、日テレでも昨年はドラマ「セクシー田中さん」原作者が急逝し、社員とのやりとりなどをめぐって社内で調査、会見も行った。さらに「24時間テレビ」では鳥取県の系列局元幹部による募金着服が発覚し、管理体制を強化して検証番組も放送。ちょうど20日には鳥取地裁での裁判で元幹部に検察から懲役3年が求刑されていた。
福田社長は日テレ社員が関係していることは否定しており、現状はあくまで一番組出演者が起こした不祥事に対応する立場。それでも「日テレが(問題を)知りやすい立場にあった」と責任感をにじませる言葉を述べ、この日の対応も当初は普段の定例会見に出席するラテ記者会加盟社のみに案内予定だったが、初期対応が「閉鎖的だ」と批判されたフジ問題なども考慮し、問い合わせがきた社や記者も全て受け入れた。自局などで中継も行われ、局関係者は「できるだけオープンにできるよう努めました」。世間の目が“ガバナンス”の善しあしに厳しく向けられる情勢を勘案する思いは随所に感じられた。
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一方で、国分をはじめとする関係者のプライバシーの観点から、問題行為については多くを語らなかった。SNSなどではすでにさまざまな情報がうわさとして流れており、報道陣から「明かさないことでさらなる臆測が広まるのでは」との指摘にも、福田社長は「事案の特定につながる情報拡散の方がリスクがある」と姿勢を崩さなかった。
粘る報道陣とのやりとりの中で「刑法には触れていない」とは明かされ、今後の国分本人の会見実施を促すような発言もあった。ある意味「会見で語れるような事案」であるとも予想できる。メディアの追及や世間の目と、当事者保護のはざまでバランスをとり続けた一連の対応だった。【松尾幸之介】
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