<日本ハム8−6楽天>◇6日◇エスコンフィールド
北海道出身の日本ハム玉井大翔投手(33)が、エスコンフィールドで初勝利を挙げた。同点の7回に4番手で登板し、1回1安打無失点と快投。直後に清宮幸が決勝2ランを放ち、22年9月17日ロッテ戦以来1023日ぶりの白星が舞い込んだ。昨季は腰痛で1軍登板なしに終わったが、23年開業の新本拠地で新たな足跡を残した。チームは同一カード3連勝で貯金を今季最多タイ14とした。
◇ ◇ ◇
3連勝を引き寄せたのは、北海道佐呂間町出身のベテラン右腕だった。6回に同点に追いつかれる嫌なムードで迎えた7回、玉井がマウンドに上がった。「こういう試合だったので、ランナーを出しながらでも粘って投げようと思った」。先頭の村林に右前打を許すも、続くゴンザレスをスライダー、黒川は宝刀シュートで連続三振。スタートを切っていた一塁走者を田宮が刺して“三振ゲッツー”。1回無失点で直後の勝ち越しにつなげた。
3年ぶりの白星は、初めてエスコンフィールドでつかんだ。「考えてみたらそうでしたね。思い出になるなあと思います」。表情は変わらずクールも、言葉に喜びがにじみ出ていた。
|
|
送り出す首脳陣の信頼は厚い。今季は17試合に登板し13回1/3、6安打2失点で防御率1・35と安定。新庄監督は「ちょっと肘を下げたことによって、コントロールの安定感と、スライダーの横の幅がちょっと広がった。シュートもね、生きてくると思うんで」。加藤投手コーチも「ボールも強いしコントロールがいいので計算しやすい。十分期待に応えてもらっている」と評価した
昨年は春先の腰痛が影響して1軍登板ゼロ。50試合登板も3年連続で途絶えた。負傷を経験し、「疲れを抜くことを優先にしていた」登板後のルーティンを変更。今季から再発予防も兼ねて筋力トレーニングを行うようになった。「年を取っていろいろやるべきことが増えました」。崖っぷちを知り、新たな引き出しが増えた。
1年前は、7月17日のファーム交流戦でようやく実戦復帰も、思うようなボールが投げられなかった。「去年に比べたら、いい1年を過ごせている。これからも1試合1試合集中して投げたい」。マウンドに立てる幸せをかみしめながら、これからも全力で腕を振る。【永野高輔】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。