0.005秒差の劇的決着はタイム削除で“幻”に。BMWがポール獲得、トヨタ勢はH1最下位敗退/ル・マン24時間ハイパーポール

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2026年06月12日 05:20  AUTOSPORT web

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ポールポジションを獲得した15号車BMW Mハイブリッド V8陣営
 6月11日、フランス・ル・マンのサルト・サーキットで、WEC世界耐久選手権第3戦ル・マン24時間レースの上位グリッドを決める『ハイパーポール1』および『ハイパーポール2』が行われ、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAの38号車キャデラックVシリーズ.R(セバスチャン・ブルデー/アール・バンバー/ジャック・エイトケン)が大接戦の末最速タイムを一度は記録したものの、その後このベストラップが削除となった結果、BMW Mチーム WRTの15号車BMW Mハイブリッド V8(ケビン・マグヌッセン/ラファエル・マルチェッロ/ドリス・ファントール)がポールポジションを手にした。

 2026年のル・マン24時間の公式予選は3段階のノックアウト式。10日に行われた第1ステージ『予選』での各クラス上位15台がハイパーポール1(H1)に進出し、そこでの上位10台が最終セッションであるハイパーポール2(H2)でポールポジションを争う。各ステージはLMP2&LMGT3の混走と、ハイパーカークラス単独という2セッションに分割されている。

 予選、H1、H2はそれぞれ別のドライバーが担当しなければならない。また、LMGT3クラスにおいて「ハイパーポールでステアリングを握れるのは、シルバードライバーのみ」という規定は今年撤廃。規定により前日の予選ではすでにブロンズドライバーがアタックを担当しているため、それ以外のシルバー、ゴールド、プラチナランクのドライバーがハイパーポールを担当できるようになった。

 同様にLMP2クラスでは予選においてもっともドライバーレーティングが低いドライバー(ブロンズまたはシルバー)がアタックを担当したため、残るドライバーでハイパーポールの2セッションに挑むことになる。


■トヨタ育成のマッソンがLMP2最速。LMGT3ではアストンがポール

 気温21度/路面温度32度という薄曇りのコンディションで20時から20分間行われたLMP2&LMGT3のH1では、ル・マン・デビュー戦の太田格之進が9号車オレカ07・ギブソン(プロトン・コンペティション)のアタックを担当。太田は3分44秒台のタイムを刻むといったんピットへとマシンを向け、その後コースへと戻ったもののアタックに入る前にチェッカーを受けてしまった模様だ。これにより、9号車はクラス最下位の15番手でH1を終えている。

 このほか、ユナイテッド・オートスポーツの22号車と222号車、ベクター・スポーツの26号車、CLXモータースポーツの37号車がここでノックアウト。LMP2のH1セッション最速はトム・ディルマンがアタックしたインターユーロポル・コンペティションの43号車となった。

 LMGT3クラスは、最終アタックでタイムを上げた27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム)がクラス最速に。ノックアウトはローガン・サージェントがアタックした88号車フォード・マスタングGT3(プロトン・コンペティション)、ジュリアーノ・アレジがH2のアタッカーとして控えていた62号車メルセデスAMG GT3(チーム・カタール・バイ・アイアン・リンクス)、61号車メルセデスAMG GT3(アイアン・リンクス)、54号車フェラーリ296 GT3エボ(ビスタAFコルセ)、92号車ポルシェ911 GT3 R GT3(ザ・ベンド・マンタイ)という5台となった。

 続く15分間のLMP2&LMGT3のH2では、78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)が、ガレージ前での作業が終わらず、コースインが遅れる。どうやら運転席側のドアが閉まらなかった模様だ。

 3周目にトヨタの育成ドライバーでもあるエステバン・マッソン(29号車オレカ07・ギブソン/フォレスティア・レーシング・バイ・パニス)が3分33秒107という最速タイムをセット。次の周、マッソンはさらにタイムを縮めて3分32秒台へ入れた。

 これにセクター1で全体ベストをマークしたジャック・ドゥーハン(24号車/ニールセン・レーシング)が迫るが、マッソンにはコンマ6秒届かず。さらに最終ラップではIDECスポールの28号車を駆るヨブ・バン・ウィタートが2番手に割り込むかたちとなった。

 LMGT3クラスでは、このセッションでも27号車アストンマーティンがマティア・ドルディのアタックでポールポジションを獲得。2番手にはアレッシオ・ロベラの21号車フェラーリ(ビスタAFコルセ)、3番手にはホセ・マリア・ロペスの87号車レクサスが入った。

 以下78号車レクサス、32号車BMW、69号車BMWまでがクラストップ6となっている。


■トヨタ2台がH1敗退の一方、新参ジェネシスは2台がH2へ

 ハイパーカークラスのH1は、21時05分に開始。トヨタ・レーシングでは7号車TR010ハイブリッドで小林可夢偉、8号車で平川亮がこのセッションを担当した。

 計測1周目では、38号車キャデラックのバンバーが3分23秒733という最速タイムを記録。19号車ジェネシスGMR-001(ジェネシス・マグマ・レーシング)のマシュー・ジャミネ、101号車キャデラック(キャデラックWTR)のリッキー・テイラーが続く。

 そのまま2周目の計測ラップを行う陣営と、ピットに戻る陣営に分かれるなか、計測を続けた7号車トヨタの可夢偉が3分24秒268と自己ベストを更新し、5番手に浮上。一方の平川はここでピットに戻り、タイヤを交換する。

 後半のアタックに入る前の時点で、“オン・ザ・バブル”の10番手には8号車トヨタ。ノックアウトゾーンは20号車BMW、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、12号車キャデラック、007号車&009号車アストンマーティン・ヴァルキリーという状況となっていた。

 終盤、まずは20号車BMWが3分23秒246と暫定トップに立ち、平川はノックアウトゾーンへ。さらに20号車のタイムを38号車キャデラック、17号車ジェネシスのマティス・ジョベールが上回っていく。やがて7号車トヨタの可夢偉もノックアウトゾーンへとはじき出されるなか、アストンマーティンの2台もタイムを向上させ6&7番手へ。

 さらに15号車BMWのマルチェッロもラストアタックでH2進出圏内へとポジションアップ。そしてセッショントップは、35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)のシャルル・ミレッシが奪った。タイムは3分23秒018だ。

 2番手には38号車キャデラック、3番手に17号車ジェネシス、以下101号車キャデラック、20号車BMW、15号車BMWという上位勢のオーダーに。

 最終的には007号車アストンマーティン、50号車フェラーリ、36号車アルピーヌ、7号車トヨタ、8号車トヨタの5台がH1で脱落することとなった。


■驚速BMWをさらに上回ったエイトケンも、タイム削除に

 続くハイパーカークラスのH2は、気温19度/路面温度26度というコンディションに。セッションは2分遅れの21時42分に開始された。H1に引き続き、ソフトタイヤを選択している陣営が多いようだ。

 アウト/インを行ってタイヤを交換する車両とそのままアタックへと入る車両が半々程度に分かれるなか、まずは15号車BMWのドリス・ファントールが3分22秒745という暫定トップタイムをセット。ポール争いはついに3分22秒台へと突入していった。

 やがて35号車アルピーヌのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタが2番手へと浮上するも、ファントールのタイムからは1秒以上の遅れ。その直後、12号車キャデラックのウィル・スティーブンスは3分23秒337で2番手に割って入る。

 ファントールの快走は止まらず、3分22秒564へと全体ベストをさらに縮め、2番手以下を突き放す。

 しかし、チェッカーが振られるなかこれを上回ったのが38号車キャデラックのエイトケンだった。エイトケンのタイムは3分22秒559。わずか0.005秒、ファントールのタイムを上回ってポールポジションを確定させると、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのピットは歓喜に包まれた。

 ところが、ハイパーポールセレモニーが終わりを迎える頃、38号車のベストラップが削除となり、タイミングモニター上では10番手へと移動。これにより、15号車BMWがポールポジションを獲得することとなった。

 38号車のタイム削除の理由は、審査委員会の決定No.133において、セッション開始直前に「このドライバー(エイトケン)はレースディレクターの指示に従わず、許可される前に作業レーンを離れ、ファストレーンに進入した」と記されており、これによりベストラップタイムの取り消しという裁定を受けた。

 この結果2番手以下の順位がひとつずつ繰り上がり、12号車キャデラックが2番手、以下35号車アルピーヌ、20号車BMW、101号車キャデラック、19号車ジェネシス、009号車アストンマーティン、51号車フェラーリ、そしてアンドレ・ロッテラーがアタックした17号車ジェネシスというH2のリザルトとなった。

[オートスポーツweb 2026年06月12日]

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