後輩女性を「おまえ」呼ばわり、店員に「これ下げろよ」…早期退職した先輩社員が“豹変”…「借りた飲み代も返さない」

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2025年02月10日 16:21  日刊SPA!

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 早期退職して悠々自適な生活を送る。多くの人がそんなライフスタイルに憧れているのではないだろうか。だが、なかには悲惨な末路を辿るケースもあるようだ。
 電気機器メーカーに勤務する白井哲司さん(仮名・38歳)は、そうした人物を間近に見たそうだ。

◆退職してマンション経営に乗り出した会社の先輩

「親戚からマンションを譲り受けることになって、『これからはマンション経営をしながらのんびり暮らすよ』と言って会社を辞めていった人がいたんです。当時はうらやましいと思っていたんですが……まさかあんな風になってしまうとは。人生は思うようにはいかないものなんだなと思いました」

 その先輩を仮に中林さん(40代)とするが、中林さんは社内でも人気がある存在だった。

「おしゃれで仕事ができて、とにかく人当たりが良いので、男女問わず人気がある人でした。早期退職を惜しむ声も多かったんです」

◆酒が進んだ先輩の様子がおかしくなっていく

 早期退職して1年半ほど立った頃、中林さんを囲んで飲むことになった。

「女性陣が企画して実現した話で、同じ部署だったメンバーたちで集まることになったんです。当日、店にやってきた中林さんの雰囲気がだいぶ変わっていたので『あれ?』と思いました。以前はキレイめカジュアルという感じだったのが、タイトなジーンズに革のジャケット、派手なプリントのブランド物のTシャツ姿で、ちょいワルな感じのルックスになっていたんです」

 近寄りがたい雰囲気に臆していると……。

「優しく『仕事はどうだ?』と話しかけてくれて、人柄的に変わった様子はなくて一緒に働いていた当時のままでした。ですが、マンション経営の話をしてもあまり語りたがらない点が少し気になっていて……。それでも最初は楽しく飲んでいたんです」

 だが、飲み会の途中から中林さんの様子に変化があった。

「中林さんはあまりお酒が強くなくて、酔っ払った姿は何度も目にしていました。でも、飲んで性格が変わるようなタイプではなかったんですが、その時は酔いが回ってくると、女性を『おまえ』呼ばわりしたり、店員さんに『これ下げろよ』と言ったり、言葉遣いが荒くなっていったんです……」

◆家賃の未納が続き、回収すらできなくなってしまう

 そうして杯を重ねていくと、中林さんはマンション経営に対する愚痴をこぼし始めた。
 
「相続したマンションは20戸ほどの賃貸マンションだったそうです。築年数はだいぶ経っていたものの、当初は満室の状態。そのうちの6部屋は地元の会社の社員寮で、長く借りてくれていたので安定していたそうです。ですが、譲り受けてから半年ほどして、その6部屋の家賃が未納の状態になったそうでした」

 未払いの理由は、社員寮として借り入れている会社の経営難によるものだった。

「中林さんは回収に奔走。率先して支払いの交渉をしたり、弁護士に相談したりと、あらゆる手を講じたそうです。先方も『返済する』というので、その言葉を信じることにしたんですが……。突如その企業が倒産して、家賃が回収できない状態になってしまったそうでした……」

◆住人の悪口を言ってはひとり甲高い声で笑う…

 そんな状況で、別の部屋に住んでいる住人から設備の故障による苦情が入ったが、対応に手間取ることになった。

「『前の大家さんは親身に話を聞いてくれたのに、あんたは無視する』とクレームになったそうで……。家賃の回収の件でストレスが溜まっていた中林さんは、思わず声を荒げてしまって口論に発展。その住人はマンションを退去していったそうです」

 その一件は、他の住人にも飛び火する。

「退去した住人は老人だったんですが、隣の住人と歳が近く仲がよかった。引っ越した住人の影響で、その住人も出ていってしまったそうです……。その後も何人か退去して、入居率が5割を切ることになってしまったらしくて。マンションで入居率が5割を切るのは危険な状態。でも新しい借り手が決まらないらしく『このままだとヤバい』とこぼしていました」

 聞いていてつらかったのが、住人を口汚く罵ることだった。

「『あのクズどもが』とか『ババアどもが部屋でくたばって事故物件にならなくて良かったと思うしかない』とかこれまでの中林さんからは想像もできないような言葉で罵るので、全員ドン引きしてしまいました。住人の悪口を言ってはひとり甲高い声で笑うので、薄ら怖い感じすらしましたね……」

◆借りた飲み代をいつまで経っても返さない

 飲み会はお開きになり、女性陣は口々に「幻滅した』と語っていた。

「それで終わればまだ良かったんですが、その後、中林さんが女性陣をしつこく飲みに誘うようになったんです。しかも飲み会のたびに『財布を忘れた』と言って、飲み代を借りるんですが、いつまで経っても返さないらしくて……。中林さんの悪口が飛び交うようになりました」

 そうして誰も中林さんの誘いに応じなくなった。

「しばらくすると連絡はこなくなったんですが……。女性メンバーのひとりが、夜遅い時間に帰宅したら、足元がおぼつかないぐらいに酔っ払った様子の中林さんが、マンションの前にいたというんです。以前BBQをした時に家まで送ってもらったことがあったので、家を知られていたためやって来られたらしくて……。結局、その時は友人の家に避難して、警察にも相談したそうです」

 慕われていた先輩の変化には白井さんも驚くしかなかったという。「まさかこうなるとは想像もしていなかったですし、悲しい気分になりましたね」と語っている。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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