「車を降りて運転席の窓をノック」あおり運転してきた男性が直立不動で謝罪するまで。実はもう回っていない?パトカーの赤色灯に隠された“進化”

1

2026年05月10日 09:20  日刊SPA!

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

※画像はイメージです。 
画像生成にAIを利用しています
「あおり運転」のトラブル。2020年の「妨害運転罪」の創設以降、世間の目はより厳しくなっていますが、いまだに「前の車が遅い」「割り込まれた」といった独りよがりな怒りを抑えきれないドライバーは後を絶ちません。
今回は、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、ターゲットを間違えた結果、あまりに情けない結末を迎えた2つの事例をご紹介します。

記事の後半では、悪質なあおり運転を取り締まるパトカーに注目。赤いパトランプ、いまだにくるくる回っていると思っている人いませんか? 実はもう回っていません、LEDです。しかも、光り方に「2種類」あるのは知っていますか? 最新の警察車両に導入された「光の秘密」についても紐解きます。

◆【エピソード1】追い越し車線は空いているのに…

 町田智弘さん(仮名・50代)は、車通勤のため週7日間運転をしている。ある日、町田さんは寝坊をしたため、一般道ではなく2車線の有料道路を利用した。

「制限速度は70キロだったので、若い頃だったら90〜100キロまで速度を上げていたかもしれません。でも、免許を取得してから、やっと“ゴールド免許”になったので、安全第一を心がけていました」

 そんな中、後ろからパッシングをしながら近づいてくる青い車が目に入ったという。そのとき、町田さんは走行車線を走っており、追い越し車線は空いている状態だった。

「追い越せばいいのに……」と町田さんは思った。町田さんが速度を上げる理由はなかったが、青い車はパッシングとクラクションを鳴らして接近してきたそうだ。

「私は、『威嚇されてる?』と思いましたが、『まあ、いいや』とアクセルを踏むことはありませんでした」

 すると、青い車は蛇行運転をし始めた。町田さんは仕方なく追い越し車線へ移動したのだが、青い車も町田さんの車に並走してきたという。

 それでも、町田さんは安全運転を心がけ、スピードを上げることはなかった。

◆「すみません」と何度も謝る運転手を見ると

「私には心当たりがなかったので無視していましたが、突然、青い車の窓が下がり、中の男性が怒鳴ってきたんです」

「バカヤロー!」

 男性は、町田さんの前方に入り蛇行運転を繰り返しながら、ブレーキランプを光らせた。「あおり運転されている」と気づいたと同時に、“怒り”が湧いてきたという。

 その後もあおり運転は続いたが、次第に飽きたのか青い車は加速して、町田さんの前から消えていったのだ。町田さんは自制心を保ちながら一般道に降りた。そのとき……。

「先ほどの青い車が、信号待ちで私のすぐ前に停車していたんです。私は無意識のうちに車を降りて、運転席の窓をノックしていました」

 驚いたことに、運転手の男性は何度も頭を下げていた。道路脇に車を止め、町田さんは男性の言い分を聞くことになった。

「私が何か悪いことした?」
「……いいえ」
「なぜ、あおった?」
「……急いでいたので。すみません。すみません……」

「“すみません”を繰り返すだけの男性が哀れに思いましたね。直立不動の男性は震えながら、なんと“股間を濡らし始めた”んです。おそらく出勤前だったのでしょう。スーツ姿でした」

 男性の状況を見ながら町田さんは、「気をつけて運転してね」と言うしかなかったようだ。

「ハンドルを握ると人格が変わる人がいるとは聞きますが、まさに“彼”でした。男性は濡れたパンツで出勤したんでしょうか。心配になりましたが、私の心はスカッとしました」

 ちなみに町田さんは、身長175センチで体重95キロのガッシリ体型。色黒で丸刈り。基本的に“強面”と言われがちだという。

◆【エピソード2】なぜか減速して距離を詰めてくる白いワンボックスカー

 営業職に就いている吉田孝さん(仮名・40代)は、ほぼ毎日、車で営業先を回っている。ある日、2車線の道路で右側を走行しているときに“あおり運転”に遭遇した。

「左車線から白いワンボックスの社用車が猛スピードで走ってきました。路駐している車を避けようとクラクションを鳴らしながら、急に右車線にはみ出してきたんです。そして白い車は、私の少し前を走ることになりました。すると、相手は徐々に減速して、距離が詰まる状況になりました」

 カーブに差しかかり、白い車の前方に目を向けたが、とくに混んでいるわけではなく、減速した理由がわからなかった。

「白い車が減速することで、私の後方を走っている車は、左車線から追い抜かなければならないような状況になりました」

 吉田さんも左車線に移動しようかと考えながら走行していると、シルバーの車が左車線から追い抜いてきたという。

◆追い抜いていったシルバーの車の正体は…

「白い車は突如スピードを上げて、追い越したシルバーの車を“あおり始めた”んです」

 白い車からようやく離れられたと一安心した吉田さん。しばらく走って信号で止まると、予想外の光景を目の当たりにしたという。

「先ほどの白い車とシルバーの車が路肩に止まっていました。シルバーの車を見ると、じつは“覆面パトカー”だったらしく赤色灯がついていました」

 2台の車の前後にもパトカーがおり、大ごとになっていたことは明らかだった。

「白い車の後方のドアは開けられていて、荷台の段ボールを警察官が確認しているようでした。何かを調べていたんでしょう。偶然だったんですが、取り締まってもらえてスカッとしました」

 自己中心的な運転が思わぬ事故につながってしまうのだ。私たち一人ひとりが交通ルールを守り、周囲に配慮して運転する必要がある。

◆■ パトランプはもう回っていない? 進化した光の正体

エピソード2ではパトカーが集結する騒ぎとなりましたが、近年、その「赤い光」が変わりつつあることにお気づきの方も多いかもしれません。

最新のパトカーの多くはすでにLED化されており、物理的に回転するパーツは入っていません。あの回転しているような光は、電子制御によって再現されているもの。さらに最近では、従来の激しい点滅とは異なる「ホタル発光」と呼ばれるパターンが導入されています。

◆緊急時は「0.5秒」、パトロールは「2秒」

緊急走行時は周囲に危機を知らせるために「0.5秒周期」の速いピッチで激しく点滅します。しかし、通常のパトロール時や停車中には、ホタルの光のように「2秒周期」でぼんやりと緩やかに発光するモードに切り替えているのです。

◆パトカーの「赤色灯」に隠された、意外な優しさ

なぜ、わざわざ光り方を変えるのか。そこには、サイレンの音が聞こえにくい聴覚に障害のある方が、視覚的な違いだけで緊急走行中かどうかを瞬時に判別できようにと、夜間のパトロールが頻繁に行われる住宅街の住民への配慮(光の刺激の軽減)があります。

住宅街を静かに見守る「ホタル発光」のように、本来、交通社会は互いへの配慮で成り立つものです。自分勝手な怒りで人生を台無しにしないためにも、常に冷静さを保ち、安全な車間距離を心がけたいものです。

<取材・文/chimi86 再構成/日刊SPA!編集部>
(出典:「令和7年版 警察白書・交通統計」ほか警察庁の統計より)

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

    アクセス数ランキング

    一覧へ

    前日のランキングへ

    ニュース設定