2026スーパー耐久第3戦富士 専有走行の様子 6月5〜7日、静岡県の富士スピードウェイでENEOSスーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE第3戦『富士24時間レース』に向け、日本自動車会議所はモータースポーツ業界におけるデジタル環境の強化による利用者の利便性向上を目的に、来場者、チーム、メディアによって生じる大容量データ通信に対応できるネットワークの実証実験を開始すると発表した。
日本自動車会議所は、今季これまでモータースポーツ界の環境改善や盛り上げに向けてさまざまな取り組みを行っており、スーパー耐久第1戦もてぎでは『モータースポーツ オープニングセレモニー2026』を開催したほか、4月のスーパーフォーミュラ第3戦オートポリスでも通信環境改善に向けた実証実験を実施。5月のスーパーGT第2戦富士では水素を活用した給電を行うなど実証実験を続けてきた。
6月5〜7日に行われる第3戦富士24時間では、来場者、チーム、メディアなどによって生じる大容量データ通信に対応できるネットワークの実証実験を行う。今回の実証では、ウーブン・バイ・トヨタが保有する大容量通信ネットワークを一時的に活用し、レース開催時に急増するデータ通信を安定して処理できるかを検証する。
エントラントにおける走行車両データの伝送や、メディアセンターおよびメディアラウンジにおけるWi-Fi通信、サーキット内の映像配信効率化などを検証し、将来的なネットワーク整備の方向性を探る。
近年、レース開催時のサーキットでは、多様なユーザーが大量のデータ通信を行う。例えばファンの場合であればレース動画の視聴、SNS投稿、キャッシュレス決済などを行う。一方で、チームは走行車両のオンボード映像や車両データ伝送などを行っている。チームの場合、ここ数年は自前でSTARLINK等を活用するなど、データ通信の確保を行っているのが現状だ。
またレース運営側では、映像配信、デジタルフラッグなどの競技運営データの移送にデータ通信が必要となる。また我々メディアでは、近年はウェブメディアも多く、リアルタイムな記事の更新や、フォトグラファー、ムービーカメラマンが撮影した写真や動画のアップロードなどにも使用される。特定のサーキットではビッグレースで通信環境が弱い場合、ネットワークが滞り記事更新ができなくなることもあった。
ただ一方で、レースがない日は通信量が大幅に減るため、ピーク時に合わせた通信設備を常設することはサーキットにとって大きな負担となる課題があった。日本自動車会議所モータースポーツ委員会では、四輪・二輪の各統括団体であるJAFやMFJ、GTアソシエイション、JRP、STMOといった国内主要レースのプロモーターが参加し業界課題の解決に取り組んでいるが、サーキットと連携し、モータースポーツ業界全体のデジタル基盤強化による、利用者の利便性向上を目的とした取り組みを推進しており、本実証はその一環として実施するものとなる。
実証実験の概要は下記のとおりだ。今回の実証結果を踏まえ、チームやメディア向けだけではなく、来場者や運営など幅広い利用者が快適に使える通信環境への拡大を検討していく。また、複数サーキットがネットワークを共用することでコストを抑えられる仕組みづくりや、将来的な広域ネットワークの構築についても検討を進めるという。
実証実験概要実施期間:2026年6月〜2026年12月今回実施対象:スーパー耐久第3戦富士24時間レース実施場所:富士スピードウェイ(静岡県小山町)実施内容:チーム(エントラント)による走行車両データの伝送大容量通信ネットワークによるメディア向け通信品質の改善通信網内への配信サーバ設置による低遅延の動画配信実証関係者:富士スピードウェイ株式会社、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社、シスコシステムズ合同会社(機器提供・技術サポート)、株式会社インターネットイニシアティブ・株式会社IIJエンジニアリング(機器提供・技術サポート)、一般社団法人スーパー耐久未来機構、一般社団法人日本自動車会議所
実証の狙いと期待される効果・チームによるオンボード映像や走行車両データの大容量伝送の安定化・メディア向け通信環境の改善による画像・映像のアップロード、記事更新の効率化・サーキット内の映像をS耐TV(YouTube)等へ配信することによる配信速度の向上
[オートスポーツweb 2026年06月04日]