「足腰を鍛えるのにいちばん」98歳のピザ焼き職人 3〜4時間立ちっぱなし【働く「アラ100」おばあちゃん】

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2024年09月16日 11:10  web女性自身

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「私は年寄りだから力が弱いんです。生地を優しく延ばしていくから空気が残って、軽くてふんわりとした焼き上がりになります。あとは具材をたっぷりのせます。



経営者の娘は“この物価高に勘弁して”と言っていますが、ケチったらおいしくありません」



とは“東京の台所”豊洲市場にある唯一の本格イタリアン「トミーナ」のピザ職人、土井スズ子さん(98)。



彼女がピザを作り始めたのは75歳のとき。



「トミーナ」を経営する一人娘の冨山節子さん夫妻が、築地市場で切り盛りしていたイタリア料理店を手伝ったことがきっかけだったという。



「それまでピザを焼いたことはなかったけど、私の故郷の長野県のおやきのようなものね、と軽い気持ちで焼いてみたんです。



それから生地作りからピザ窯で焼くまでが楽しくって。私にあるのは“とりあえずやってみよう”という好奇心だけなんです」



大正15年に長野県に生まれた土井さんは戦後上京し、21歳で10歳年上の夫と結婚



紳士服の仕立て店を経営する夫を支えながら、自宅で婦人・子ども服のオーダーメイドを手がけた。40代後半からは世界各国へ旅行へと出かけ、これまで訪れたのは120カ国だとか。



「元気で働くためには好奇心が大切。おいしいものが食べたい、知らない国にも行きたいとか、やりたいことはいっぱい。アフリカにはもう一回行きたいわね」



と白い歯を見せる。



66歳のとき夫を見送り、現在は節子さんと2人暮らし。



朝11時に出勤し、定休日以外は閉店の15時まで立ちっぱなしでピザを焼く土井さんだが、今夏に誤嚥性肺炎を患い、現在は休む日もあるという。節子さんが語る。



「しばらく横になっていたから足腰が弱ってしまい、歩行器を用意したんですが、母は“こんなもの!”と自分で工夫して歩く練習をしています。



今は週1ぐらいしかお店に出られないけど、母の生活はお店を中心に回っています。



ピザ窯を見守っているほうが健康にはいいみたいで、毎日ピザを焼きたくてウズウズしています」



生涯現役を目指す土井さんの旺盛な好奇心は、とどまるところを知らない。



【PROFILE】


どい・すずこ


1926(大正15)年1月25日、長野県生まれ。75歳でビザを焼き始め、豊洲市場にあるイタリアン「トミーナ」で働く

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