【福田富一栃木県知事・第3回】3人の子育てをした今だからこそわかる親の葛藤と苦悩

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2024年09月17日 10:10  ママスタセレクト

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第1回から読む。
前回からの続き。栃木県の福田富一知事に、栃木県の子育て支援についてお聞きしてきました。第3回の今回は、少し違った角度から、知事自身の「子育て」「孫育て」についてお話をうかがいます。

【ママスタセレクト】栃木県知事福田富一さま_プロフィール画像

知事の子育て、今振り返ると反省することも……?


――福田知事にはお子さんが3人いらっしゃいますが、子育てにはどのように関わってこられましたか?

福田富一栃木県知事(以下、福田知事):子どもたちが小さいときは、お風呂は私が毎晩担当すると決めていました。帰宅時間が遅くなることもあり、お風呂の時間も夜の9時、10時になることもありましたが……。けれどそれ以外はあまり子どもとのスキンシップの時間は取れなかったように思います。これは反省点ですね。

――お子さんの幼稚園や小学校の行事などには参加されていたのでしょうか?

福田知事:子ども会や町内会、地域の育成会、学校のPTA会長などをしていたので、行事には参加していました。けれど私は会長や役員の立場でしたから、子どもの近くで一緒に参加するという形はなかなかとれませんでした。子どもからすると、「友達はお父さんと一緒なのに」と思うこともあったかもしれません。

子どもを叱る、怒る、褒める……。育児の難しさ



――子どもを叱ること、褒めることは本当に難しいと感じます。知事はどのようにされていましたか?

福田知事:叱るというのは、何がいけなくてこれからどうすべきかを冷静に伝えることですよね。一方怒るのは、親がただ怒りの感情をぶつけること。私自身、叱るではなく怒ることもたびたびありました。仕事が忙しく時間がなかったので、ズバッと言って終わりにしようとしたのも否めません。褒めることは意識していたものの、子どもとの時間が取れなかったこともあり、褒める機会も少なかったように思います。今振り返ると、政治活動や仕事など、自分のことで精一杯でしたね。もう一度子育てができるならば、もっと上手くできるかなと思ったりもします。

――知事という立場の方でも、子育てで後悔をされているものなのですね。

福田知事:子どもが自立をして子育てが終わったと感じたとき、もっと愛情をかけて育てればよかったのかな? と思ったこともありました。愛情をかければかけるほど親への信頼は増し、信頼があるぶん主張も強くなっていくものです。今振り返ってみると、より愛情をかけて子育てをすれば、子どもたちももっと自由に、少しはわがままに、そして今とは違う生き方をしたのかもしれないと思います。

――ちなみに当時は、ご両親のサポートはあったのでしょうか?

福田知事:私の両親、妻の両親ともに、たくさん世話になりました。幸い県内に住んでいたので頼ることができました。今でも感謝しています。

今では孫を見る年代に。子どもと孫はやっぱり違う?!



――現在はお子さんとどのような関係を築いていらっしゃいますか?

福田知事:今は私が孫の面倒を見る立場になりました。じつは明日(※取材日翌日)も孫たちを預かる予定になっているんです。

――わが子と孫とでは接し方は変わるものですか?

福田知事:子どもに対しては子育ての責任の大きさを感じていましたし、真っ直ぐに育ってほしいという思いが強く、叱ったり怒ったりしたものです。でも孫には厳しくないどころか、甘くなってしまいますね。お互いに楽しく、自由に過ごすこと。これを第一に考えていますね。孫の前ではおじいちゃんです(笑)。

編集後記
自身の子育てを語る福田知事は、どこか昔を懐かしんでいるような印象を受けました。過去の反省をお話しくださいましたが、そのような経験も県の子育て政策に活かされているのかもしれません。またお孫さんの話では、一転して優しいおじいちゃんの顔に。福田知事の意外な一面を見ることができたインタビューとなりました。

次回は栃木県が取り組む「ヤングケアラー支援」について紹介します。
※取材は2024年6月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
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取材、文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・おんたま

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