参院本会議で答弁する石破茂首相=12日午前、国会内 参院は12日の本会議で、石破茂首相から先の米国訪問について報告を受け、質疑を行った。首相は日本の対米投資を1兆ドル(約153兆円)規模に引き上げるとトランプ大統領に伝えたことに関し「自動車に加え、人工知能(AI)や先端半導体、エネルギー分野で投資が進むことが想定される」と説明した。期限は設けていないとも語った。
トランプ氏が会談後に鉄鋼・アルミニウムに25%の関税を課す文書に署名したことに対しては、日本の除外を求める方針を示した上で、「具体的な中身は明らかとなっていない点があり、引き続き注視し、適切に対応する」と強調した。日米首脳会談では議論していないとも指摘した。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、首相は「単なる買収ではなく、米国に大胆な投資を行うことで、日米がウィンウィンになるものにする」との認識をトランプ氏と共有したと説明した。具体的な計画に関しては「民間の関係者が検討、調整する」と述べるにとどめた。立憲民主党の福山哲郎元幹事長への答弁。
首相はまた、2023〜27年度の防衛費を総額43兆円とする計画を堅持する考えを強調。「為替変動や物価上昇が生じる状況にあっても、現行計画に基づき防衛力強化に努める方針に変わりはない」と述べた。自民党の佐藤正久氏への答弁。