草笛光子主演、映画『アンジーのBARで逢いましょう』(4月4日公開)(C)2025「アンジーのBARで逢いましょう」製作委員会 昨年10月に91歳の誕生日を迎え、国内最高齢主演記録を自ら塗り替えた俳優・草笛光子の主演映画『アンジーのBARで逢いましょう』(4月4日公開)より、草笛演じる主人公アンジーが颯爽と登場する冒頭シーン映像が解禁となった。
【動画】『アンジーのBARで逢いましょう』冒頭シーン映像 本作は、突然町にやってきていわくつきの物件でBARを開く謎多き”お尋ね者”のアンジーが、いろいろな問題を胸に抱えながら日々を懸命に生きる街の人たちを“自分らしく”変えていく、幸せで痛快な現代のおとぎ話。
監督は、大林宣彦監督などの助監督を長年務めた松本動(まつもと・ゆるぐ)。脚本は、『私立探偵 濱マイク』シリーズ、『十三人の刺客』を手掛ける天願大介が担当した。
本作は、鮮やかな色の帽子と耳に大振りのイヤリングをつけた白髪の女性・アンジーがトンネルを抜け、風に吹かれて颯爽とやってくるシーンから始まる。工場の煙たなびく街のはずれまで歩いてきたところで、またひゅーっと風が吹き、立ち止まると、そこには長く空き家になっている店舗が。賃貸物件の看板も錆びつくほど放置されて久しい様子だ。
するとアンジーは、囲いを無理やり押しのけて店の中を覗き込む。以前はBARだった店内のカウンターにはなんとヘビの姿がみえたが、驚くこともなく意味ありげに頷き、一言「いいねぇ」とつぶやく。風にふかれて導かれるようにやってきたアンジーが、このあとどう行動していくのか、草笛の存在感ある演技に引き込まれる冒頭のシーンとなっている。
■主人公アンジーは草笛光子をあて書き
2025年は日本人の3人に1人が高齢者となる“超高齢者社会”が現実となる。その一方で今注目を集めているのが、仕事や趣味に積極的で、生産力も消費活動も他の世代と変わらない“アクティブ・シニア”と呼ばれる高齢者。本作の主人公、アンジーは「生涯現役を貫く」「ライフスタイルへのこだわり」「他者とのコミュニケーションを大切にする」「夜遊びを楽しむ」など、アクティブ・シニアの理想像ともいうべきキャラクターだ。
今月14日に、65歳以上のシニア世代を対象にした本作の試写会を敢行し、松本監督が登壇。「草笛光子さんが出演した『デンデラ』のプロデューサーが草笛さんに『日本の映画には、なんで脂の乗った、シニアの主人公の作品がないのよ、あなた企画しないの?』と言われたことが本作の生まれたきっかけでした」と、映画制作の経緯を説明した。
プロデューサーとともに企画をすすめる中で、『デンデラ』の脚本家でもある天願に脚本を依頼。「草笛さんのことをよく知っている天願大介さんは1週間くらいで脚本を書き上げてきてくださいました。草笛さん=アンジーという感じで、あて書きです。ですので、アンジーそして草笛さんが魅力的に描けていると思います。アンジーはこれまで草笛さんが演じたことのないキャラクターになっています」とアピールしている。
印象に残っている撮影エピソードとして、「草笛さんが『この女って変な人よね〜私こういう役をやってみたかったのよ、フフフフ〜』っていたずらっ子のようにいってくださったのが思い出に残っています。この役を楽しんで演じてくださっているんだなぁと本当にうれしくなりました」と、回想。
さらに、冒頭シーンに出てきた物件を借りて、BARを開業するアンジー。そのためにリヤカーでいろいろ買い出しに行くシーンの裏話として、「草笛さんにリヤカーに乗っていただけないか、とお願いしたところ快諾していただけて、さらに草笛さんに『これロールスロイスだと思って、優雅に気品のある感じでお願いします!』とお願いしたところ『わかったわ』と言ってくれました。あんなにリヤカーを優雅にのりこなす人はいないんじゃないか、と思うほど素敵に演じてくれました!」と明かした。
今回、寺尾聰、ディーン・フジオカ、石田ひかりなどの共演者はみな、「草笛さんの主演作だったらぜひ」と出演を快諾。松本監督は「草笛光子さんは、アンジーという役を演じるというより、生きてくださいました。だからこそアンジーはすごくかっこよくて、すごくチャーミングに映っていると思います。アンジーをぜひご堪能ください!」と熱く語った。
上映後、参加者からは「見て良かった!こういう映画大好き」「草笛さんが素敵」などと好意的な感想が多く聞かれた。90歳を過ぎてますます存在感を増し、生涯現役を体現する草笛の最新作は、人生を楽しくイキイキと過ごすヒントにあふれていること間違いなしだ。
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