シンガー・ソングライター泉谷しげる(77)が5月16日から6月15日まで、東京・表参道のTHE GALLERY OMOTESANDOで個展「サイバーパンク展」を開催する。「漫画家になりたかった音楽家」を自認する泉谷の、画家としての隠れた才披露する異色の個展となる。
展示されるのは、泉谷がデビュー以来描き続けてきた作品。泉谷は「独自にサイバーパンクの世界観をイメージして描いてきた」という。テクノロジーが人間性を侵食する現代社会への警鐘を鳴らすと同時に、どんな困難な状況でも生き抜こうとする人間の強さを表現している。
泉谷は「俺にとっては、サイバーパンクを描くのも音楽活動も同じこと。結局、歌を歌って、役者をやってテレビにまで出ているから、こういった個展もやらせてもらえる。だから、片手間画家であっても、個展に来てもらってすごいと思ってもらえたら、それでもいい」。
今回の個展をプロデュースするのは、伝説のギャル雑誌「egg」のクリエーティブディレクターを務めた編集者の米原康正氏。「テクノロジーが人間性を侵食し、システムが個を抑圧するこの時代に、泉谷しげるのアートが放つ『生の叫び』は、かってないほど強いリアリティーを持っている。泉谷の絵には、計算された美しさも、なめらかな秩序もない。あるのはむき出しの衝動と、壊れかけた世界に対する苛烈なまでの肯定だ」と絶賛している。
泉谷にとっても「単なる絵画展覧会とは違う」と言い切る。「俺にとっては、現代社会への強烈なメッセージだってこと。いわゆるAI時代の到来や監視社会の進行など、かつてのSFが描いてきたディストピア(反理想郷)が現実味を帯びていく今、オレなりにアートで問いたかった」と説明している。
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個展に合わせて、泉谷にとっては初の描き下ろしとなるサイバーパンク漫画「ローリングサンダー」も発売された。泉谷が自らの世界観を漫画の中で表現した。個展で展示作品は購入も可能。期間中の週末にはスペシャルイベントも予定している。
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