ドイツ本国ではシリーズの幅を拡げる伝統のファミリー『A6 Sedan』も発表されている パフォーマンスと一充電航続距離、効率性や充電能力などを併存させた『A6 e-tron』シリーズの国内発表と発売に先立ち、高性能版『S6 Avant e-tron quattro(S6アバントe-tronクワトロ)』の欧州仕様車が国内初披露された。すでに4月26日から6月22日までの期間限定でAudi City銀座にて先行展示が実施され、ドイツ本国ではシリーズの幅を拡げる伝統のファミリー『A6 Sedan(A6セダン)』も発表されている。
アウディ史上もっとも優れたエアロダイナミクスと、ダイナミックでエレガントなデザインを兼ね備えたという新型『A6』のe-tron"シリーズは、すでに発売されている『A5』系と刻を同じくして昨年7月31日にヨーロッパで発表され、電動モデルのネーミングとして再定義されたe-tronシリーズの新たな章を刻む1台に位置付けられる。
フラットフロアなどでEV航続距離を意識した驚異的なCd値(空気抵抗係数)0.21を達成し、PPEプラットフォームを採用した2番目のモデルでありつつ、フラットフロアコンセプトを採用した最初の電気自動車となる同車は、先進運転支援システム(ADAS)のセンサー類やエアインテークなど機能要素を”ダークマスク”に統合したフロントから、スリムなグリーンハウスに掛けてクリーンなラインを描くエクステリアが特徴に。
サイドスリットによりホイールハウス周辺をシールして乱流を制御するエアカーテンを筆頭に、シングルフレーム下にある制御可能な冷却エアインテークによりフロント側の空気が最小限のロスで流れるようデザインされ、特別に用意されたホイールトリムやフロントホイール前方の3Dバンプ(空力最適化パーツ)が後方へ向かう気流を整えるなど、徹底して効率性が高められている。
アンダーボディも高い密閉性と各種コンポーネントの細かな最適化が図られ、幅広く空力的に最適化されたディフューザーにより、リヤアクスルの揚力とCd値の最適なバランスが実現する。さらにアバントではディフューザーに追加のスポイラーも装備され、リヤにサイドスポイラー形状の空力エレメントを追加。また低いルーフエッジスポイラーは車両後方に小さな“静水域(空気の流れがほとんどない領域)”を作り出し、これもまた空力性能を向上させる。
会場となるAudi City銀座(東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル1F)に展示される『S6アバントe-tronクワトロ』は、デイトナグレーパールエフェクトのボディカラーとなり、昨年末より稼働を開始したこの都市型ショールームでは、国内導入予定の最新モデルや限定モデルを展示。また、試乗用にも各種モデルが取り揃えられている。
そしてドイツ本国では、内燃エンジンを搭載する量産モデルとして、シリーズ歴代最高のCd値0.23を達成した『A6セダン』も公開され、精緻なグラフィックを備えたリヤライトと、それらをつなぐ一体型のライトストリップ、縦型のブレーキライトが特徴に。ノッチバックの特別な形状も空力性能に大きく寄与し、テールゲートの鋭いカーブとその手前のくぼみは、最適な気流の剥離(ストール)を生み出す。これに大型で幅の広いディフューザーを組み合わせることで、リヤクスルのリフトと空気抵抗(ドラッグ)の間に理想的なバランスが確保され、ドライビングダイナミクスを向上させている。
パワートレインでは、部分電動化技術でもあるMHEV plusマイルドハイブリッドテクノロジーを2.0リッターのTDI(クリーンディーゼル)4気筒エンジン(150kW/204PS)と、3.0リッターのTFSI(ガソリン直噴ターボ)のV6エンジン(270kW/367PS)を搭載。システムは48Vバッテリー、BAS(ベルト駆動オルタネータースターター)、統合型パワーエレクトロニクスを備えたPTG(パワートレインジェネレーター)の3つの主要コンポーネントで構成され、PTGにより市街地走行時や渋滞時、あるいは郊外での走行の際だけでなく、完全電動での駐車や低速走行が可能に。
さらに発進時や追い越し時に最大230Nmのトルクと18kW(24PS)のアシストを提供し、減速時には最大25kWのエネルギーを回生するなど、内燃エンジンをサポートしながらパフォーマンスと快適性を向上させ、二酸化炭素排出量も削減する高効率な走行を実現する。
また、車内の遮音性能は従来モデルと比べて最大30%向上しており、より高密度にシールされたウインドウや最適化されたドアシール、テールゲートシールも風切り音を大幅に低減している。さらに19インチ以上のすべてのタイヤにはノイズアブソーバー(吸音材)が装備され、新開発エンジンおよびトランスミッションマウントのブッシュによって、より滑らかで静かな走行が可能となっている。
本国での受注は2025年4月から開始され、日本市場への導入は詳細が確定次第、追ってアナウンスされる見込みだ。
●Audiコミュニケーションセンター・フリーダイヤル:0120-598106
[オートスポーツweb 2025年05月15日]