【体操】杉原愛子が10年ぶり優勝「0・1点を大切にできた」最終種目で逆転0・033点差

1

2025年05月17日 19:30  日刊スポーツ

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

床の演技後、コーチとハグをする杉原(撮影・増田悦実)

<体操:NHK杯>◇17日◇第2日◇東京体育館◇女子決勝



16年リオデジャネイロ、21年東京五輪代表の杉原愛子(25=TRyAS)が、15年大会以来10年ぶりに王座に返り咲いた。


持ち点となる4月の全日本選手権の得点と合わせて162・163点。全日本覇者で昨夏のパリ五輪代表の岸里奈(戸田市SC)との接戦を0・033差で制し、男女通じて最長ブランク優勝を果たした。岸、岡村真(相好ク)、中村遥香(なんばク)とともに、10月の世界選手権(ジャカルタ)代表入りを決めた。


   ◇   ◇   ◇


2位で迎えた最終種目の床運動。杉原は、全身で主人公「杉原愛子」を演じた。床をたたいて悔しがる振り付けや後半の曲調変化などで、酸いも甘いも味わってきた自身の体操人生を表現。ノーミス演技で全体1位となる13・993点で締めくくり、2位の岸に0・033点差の逆転優勝を飾った。「葛藤や不安から、大好きな体操を取り戻すというストーリー。納得のいくいい演技ができた。楽しくやりながら0・1点を大切にできたのがよかった」。高1だった15年以来10年ぶりに手にした優勝カップは、やっぱり重たかった。


21年東京五輪後に競技生活に一区切りつけることを決断したが、指導者やリポーターなど新たな角度から関わることで魅力を再認識した。「メジャースポーツにしたい」と23年11月に選手に復帰。昨年大会は5位であと1歩でパリ五輪出場を逃したが「楽しい体操を見てもらいたい」と一途に競技に向き合ってきた。「人それぞれ花が咲く時期は違う。10年の時を経て優勝するとは思わなかった。ジュニアの選手も焦らずに花を咲かせる時期が来ると思って頑張って欲しい」。後輩たちに寄り添う言葉に、10年分の思いがにじんだ。


10月の世界選手権には6年ぶりに選ばれた。「得意としてる床でメダルを狙っていきたい」と宣言。「感謝の気持ちを忘れず、大好きな体操を楽しみながら4人で頑張っていきたい」とうなずいた。28歳で迎える28年ロサンゼルス五輪は「今は正直考えていない」。あえて、目標も、限界も設けない。これからも、大好きな体操を全力で味わい尽くす。【勝部晃多】

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定