
お値段から世の中の動きを読み解いていく「きょうのお値段」。今回は、ちょっと不思議なお風呂の値段「60万5000円」です。
60万円の“不思議なお風呂”とは?出水麻衣キャスター:
こちらの布を広げると”布製の浴槽”になります。160cmの私の体がすっぽりと入るくらいの大きさで、結構くつろげますし、深さもしっかりあります。
この“布製の浴槽”が60万円ということではなく、これが一部ということです。
分譲住宅でも“浴槽レス”が人気に! 水道代の節約にも出水キャスター:
不思議な“お風呂”の詳細は後ほど説明しますが、なぜこのお風呂を紹介したのかといいますと、実は今、賃貸だけではなく分譲でも浴槽レスの物件が人気になっているからです。
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今回は浴槽レスの物件と、その先にある深い理由について解説していきます。
まずは、“布製の浴槽”についてですが、こちらはお風呂などの設備メーカー「LIXIL」が開発した「bathtope(バストープ)」という商品です。床・壁・ドア・シャワーなど全てがついた浴室空間のお値段が「60万5000円〜」ということなんです。
井上貴博キャスター:
シャワールームになっているということですか?
出水キャスター:
そういうことです。
当初は、都心のフルリノベ需要を想定していたそうなんですが、賃貸・分譲・戸建て・民泊・ホテルなどでも採用が広がっているということです。
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実際に映像で見てみますと、シャワールームのように見えますが、壁にあるフックに布を引っかけるだけで設置が完了します。
また、浴槽の幅が狭い分、水量を減らすことができるので節水にもなりますし、浴槽の下の部分は床に接しているので体も安定します。
使用後は、壁にかけて乾燥させるだけです。
浴槽レスが広がっている理由として、▼シャワー派が増加していること、▼浴槽掃除が面倒なこと、▼水道代の節約ができること、▼スペースが広がるといった様々な理由があります。
「浴槽レスという“優しさ”」が高齢者を救う?出水キャスター:
そんな中、私が注目したのは「『浴槽レス』というのは『優しさ』でもある」という点です。
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国交省の研究機関は、高齢者の溺水事故が多いことや、入浴介助者の負担軽減という点から“浴槽レス”に注目し、“浴槽レス”の適切な広さなどを研究中だということです。
浴槽をなくした場合、スペースが広がるので、高齢者が椅子での入浴が楽になったり、介助のスペースが広がるなどのメリットがあります。実際にどれくらいの広さが適切なのかなどのガイドラインを今後策定していくということです。