ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『住みたい街』について語った。
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★今週のひと言「日本全国を飛び回る俺が選ぶ『住みたい街』TOP3」
有名人やメディアでよく目にする人間は、なんとなく東京、もしくはその近隣の関東圏に暮らしていると思われがちだ。俺は名古屋在住なのだが「名古屋の呂布カルマ」として認知している人の中にも、すでに上京していると思い込んでいる人が多い。
悪気なく「まだ名古屋なんですね」とか、逆に地元・名古屋の人からも「今日はお仕事で?」なんて言われることも多い。そのたび、名古屋に暮らしていることを伝えると、不思議そうな顔をされる。
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確かに一部フランスからモニター越しのひろゆきさんや、天界からモニター越しの美輪明宏さんのような、遠隔リモート出演が容認されている一部の人以外は、関東圏に暮らしたほうが何かと便利だ。
かくいう俺も、いまだ名古屋からモニター越し出演は許されておらず、仕事のたびに足しげく名古屋から東京へ通っている始末なので、中にはなぜそんな非効率なことをしているのだろうと思う人がいても仕方がない。
もともと名古屋生まれではない俺がその非効率を押してまで名古屋に暮らし続ける理由は、東京で子育てをするのは何か怖いという田舎者マインド一点のみなのだが、では「どうしても名古屋でなくてはダメなのか」と言われるとそうではない。
前置きが長くなったが、テレビ仕事は大半が東京か大阪の2択だが、ラッパーとしてイベントで全国津々浦々行かせてもらった中で、ここなら暮らせるなと思った街TOP3を発表しよう。
●1位 神戸
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俺がもともと兵庫県生まれ大阪育ちなので勝手知ったる関西というのもあるが、なんとなく大阪での子育ては東京が怖いのと同じ理由で少し抵抗がある。
あと兵庫の人の笑いのセンスは大阪と近いのだが、若干奥ゆかしさも感じられて、思春期に大阪を離れた自分の感覚にはちょうどいいのだ。神戸は街並みも何かオシャレだしね。
●2位 仙台
適度に都会で適度に田舎で。これは仙台に限らないが、今暮らしている名古屋と規模感の似た街は遊び方や働き方が似通ってくるせいか、人も少し似ている気がする。そういう意味でも、仙台は名古屋人の俺からしてもギャップが少ない。
そして何度かライブに行ったときに食べさせてもらった、せり鍋を筆頭においしい野菜を食べさせてくれることが多いのもうれしい。それは完全にアテンドしてくれる人のセンス次第な気もするけど......何も考えてなかったら牛タンだよな。
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●3位 福岡
まぁぶっちゃけ九州のどっかっていう感じなんだけど、そうするとやはり街の規模感の問題で福岡になる。食べ物もおいしいし、面白い人が多い気がする。
あと、福岡は何より空港が街からめちゃ近いのも最高だ。新幹線に乗るような感覚で空港へ行けるのは、日本中を飛び回らなければいけない俺にとっては、かなりポイントが高い。
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これだけ来ている東京はというと......住む街としてはランク外だ。
実際、日本でぶっちぎりの人口を誇る東京って街は、そのままつまり日本一暮らしやすいという意味だろうし、住めば都という言葉もあるが、東京は住まずともすでに都だ。だけど田舎者の俺にとっては仕事をしに行く街って感じなんだよな。
もっとも、今後俺が何かしでかして嫁子供に出ていかれでもしたら、しれっとひとりで上京している可能性は十分にあるのだが。そうならないようにしたいな。
撮影/田中智久