病気で弱った“ブロッコリー”のような盆栽、3年後…… 141万再生された衝撃の姿に「すごい変身」「本当に美しい木」【海外】

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2025年06月17日 10:15  ねとらぼ

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病気で弱った盆栽

 病気で弱り、剪定(せんてい)もされずブロッコリーのようになってしまった盆栽を復活させるビフォーアフター動画がYouTubeに投稿されました。3年後の見事な姿が反響を呼び、記事執筆時点で141万回以上再生され、3万9000件のいいねを集めています。


【画像】3年後の姿


前所有者がケアを怠りひどい状態に

 動画を投稿したのは、盆栽を剪定する様子を紹介しているYouTubeチャンネル「Bonsai Releaf」。今回は、2021年冬に購入したひどい状態の盆栽を、3年かけて復活させていくビフォーアフターを公開しています。


 登場する盆栽は新潟県糸魚川原産の「糸魚川真柏(しんぱく)」。人気の高い品種であり、これは樹齢も長いそうです。しかし、前の持ち主がケアを怠っていたらしく、生い茂った様子はブロッコリーのよう。ところどころの葉は弱っていたり枯れていたりして、真菌にも侵されていました。


 しかし、枝ぶりがよく葉も十分茂っているので、問題箇所さえ取り除けば健康を取り戻せそうです。


最終的な完成形をデザインして剪定を進める

 枯れている葉や弱っている葉を取り除き、成長を阻害しそうな枝を剪定した後、審美的な観点から盆栽のデザインを検討します。


 よく観察すると幹にはひと筋の白いラインが。これは枯れて白くなった「シャリ」と呼ばれるものです。糸魚川真柏の魅力とされているので、これを正面に向けることを前提にデザインを考えます(参考:糸魚川真柏のあらまし)。


 また、現状で鉢の外側に飛び出して垂れ下がっている枝を生かすため、鉢を傾けて見た目がよくなる角度を探ります。つまり、最終的にその角度に植え替えるわけです。スケッチもして、どういうビジュアルで完成させるかをデザインしていきます。


 そのデザインに沿って剪定を行い、幹の模様や枝ぶりをより魅力的に見せるため、時には大きめの枝も大胆にカットします。また、整いすぎていたり、その逆にごちゃごちゃとしすぎている枝もカットしますが、その見極めには“盆栽哲学”が求められます。いわく、「盆栽とは自然を形づくり、強化して、野生の成熟した古木の理想的なミニチュア版を作成することです」とのこと。深い……!


 幹のうねりを美しく見せるため、古い樹皮は彫刻刀で取り除いてしまいます。一部の枝も同様に樹皮を剥ぐと白い枯れ木部分が現れました。このような白い枝は「ジン」と呼ばれ、真柏において樹齢の長さを表す特徴のひとつとなっています。


治療と矯正、そして……

 その後、2022年春には有機肥料を与え、真菌を治療する薬剤も用いてメンテナンスを施しました。そして、2023年夏には再び増えてきた葉や枝を中心に半分近くを剪定。かなりの量を剪定した印象ですが、これにより育ちすぎることなく“盆栽サイズ”にとどまってくれるそうです。


 ただし、この剪定はストレスを与えることにもなるので、それを行った後は約1年間待ち、2024年秋に盆栽としての仕上げを行います。この段階では想定したデザインに近づけるため、正面から見て左側のボリュームを大幅に減らします。ただし、ここでは剪定するのではなく枝を矯正してボリューム感を調整します。


 大きな枝にはまず天然素材を巻き付け、その上から太い銅線を巻き付けて矯正方向へ誘導します。細い枝には細い銅線を巻き付け、枝ぶりが見栄えよくまとまるように矯正します。


 銅線で矯正方向へ固定した状態で全体的なフォルムとデザインのディテールを再考し、残っている葉の3分の1ほどを間引きます。最後に、シャリやジンの部分、樹皮を剥いだ部分を専用の塗布剤できれいにした後、角度を変えて植え替え直し、表土にこけを植え付けたら美しい糸魚川真柏の盆栽の完成です。


 銅線はまだ残っているので完全な完成ではありませんが、数カ月から数年後にはそれも外せるそうです。


「すごい変身」「本当に美しい木」と数々の称賛

 ブロッコリーのような姿が美しい芸術作品になっていく様子に、「すごい変身ですね」「とても素敵で芸術的な動画です!」「盆栽という『芸術』を披露した最高の動画のひとつと言えるでしょう」「すばらしい作品。本当に美しい木ですね!」「盆栽は昔から大好きで芸術として認識していましたが、あなたはまったく別のレベルを見せてくれました」という称賛のコメントが数多く寄せられています。




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