アストンマーティン育成クロフォードが雨の一戦を制し、今季3勝目を掴む/FIA F2第8戦レース2

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2025年07月06日 21:00  AUTOSPORT web

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2025年FIA F2第8戦シルバーストン ジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)
 7月6日、2025年FIA F2第8戦シルバーストンのフィーチャーレース(決勝レース2)がイギリスのシルバーストン・サーキットで開催され、ジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)が今季3勝目を飾った。

 宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は15位でフィーチャーレースを終えている。

 フィーチャーレースのグリッドは4日に行われた公式予選で決定され、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)今季2度目のポールポジションを獲得。フロントロウ2番グリッドにアレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成)が並んだ。

 2列目3番グリッドはポイントランキング3位のクロフォードとなり、4番手以降は昨日のスプリントレースで表彰台を獲得したロマン・スタネ(インビクタ・レーシング)、セバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)が続いた。

 今大会のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがハード(ホワイト)、オプションタイヤがソフト(レッド)となるが、直前まで降っていた雨の影響を受けて全車がウエットタイヤを装着し、グリッドに並んだ。

 タイヤ交換義務を有する周回数29周、もしくは60分+1周のフィーチャーレースは日本時間19時17分(現地時間11時17分)に気温15.6度、路面温度23.6度、青空がのぞくウエットコンディションのなか、フォーメーションラップを経て幕を開けた。

 抜群の蹴りだしをみせたクロフォードがホールショットを奪ってトップに浮上し、2番手にダンが続く。一方、強い降雨によって第1戦のフィーチャーレースがキャンセルとなり、このレースが今季初のポールスタートとなったマルタンスはスタートで出遅れ、3番手に後退した。

 クロフォードがファステストラップを記録し、2番手ダンを引き離す後方では、アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成)とルーク・ブラウニング(ハイテックTGR/ウイリアムズ育成)がサイド・バイ・サイドで順位を争い、ブラウニングが8番手の座を掴む。

 ポイントリーダーのリチャード・フェルシュフォー(MPモータースポーツ)の背中を捉えたブラウニングは、4周目のターン9でフェルシュフォーのインを刺し、7番手に浮上した。

 その背後では、リンドブラッドを攻略した9番手のディーノ・ベガノビッチ(ハイテックTGR/フェラーリ育成)がフェルシュフォーに襲い掛かり、ベガノビッチが8番手に浮上する。快走するハイテックTGRの2台は6番手のモントーヤを5周目にオーバーテイクし、ブラウニングは6番手、ベガノビッチは7番手にポジションを上げた。

 10番手に後退したリンドブラッドは、昨日のスプリントレースを制したレオナルド・フォルナローリ(インビクタ・レーシング)に追われるかたちとなったが、ここでは順位変動は起こらず。レースはしばしこう着状態となる。

 9周目、5番手のデュルクセンがスタネをパスし、4番手にポジションを上げる。2台の背後には6番手ブラウニングが追い付き、スタネの隙をついたブラウニングが5番手に浮上。ブラウニングの背中を追うベガノビッチも10周目にスタネをパスし、4番手につけた。

 そんななか、9番手争いをくり広げるリンドブラッド、フェルシュフォーが軽く接触する。10番手を狙うフォルナローリが失速したリンドブラッドの隙をつき、ポジションを上げた。

 流れに乗ったブラウニングは、12周目に4番手のデュルクセンを攻略。続いて3番手マルタンスを猛追し、2台はテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げるがマルタンスも簡単にはポジションを譲らず。2台の3番手争いは18周目まで続き、マルタンスをパスしたブラウニングが3番手に浮上した。

 21周目、一時1.8秒ものギャップを築いたクロフォードの背後に2番手のダンが迫るなか、11番手のリンドブラッドが他車に先駆けてピットに入り、新たなウエットタイヤに履き替える。

 ここから17番手を走行する宮田を含むポイント圏外のドライバーがピットインを開始し、ガブリエレ・ミニ(プレマ・レーシング/アルピーヌ育成)がオプションタイヤに交換する賭けにでる。しかしミニは、コース復帰直後にオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)と接触してスピンを喫し、コースサイドにマシンを止めてしまう。

 23周目にブラウニング、スタネら上位勢がピットインするなかイエローフラッグが提示され、翌24周にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。

 VSC導入前にピットインを果たしたクロフォードが5番手でコースに復帰し、ダンがラップリーダーとなるなか、オプションタイヤに履き替えたスタネが停止する。VSCは25周目にセーフティーカー(SC)に切り替えられ、このタイミングでタイヤ交換義務未消化の全ドライバーがタイヤ交換を行った。

 トップ5オーダーはクロフォード、ダン、ブラウニング、デュルクセン、ベガノビッチとなり、雨が降り出すなか、セッションは28周目にリスタートを迎えた。しかし再開直後にデュルクセンがホームストレート直前でスピンを喫し、コース上に停止する。

 再びSCが導入されるなかでファイナルラップが進行し、トップチェッカーを受けたクロフォードが今季3勝目を飾った。2位にダン、3位にブラウニングが続いた。  オープニングラップで19番手にポジションをあげ、14周目にサミ・メゲトゥニフ(トライデント)、16周目にジョン・ベネット(ファン・アメルスフォールト・レーシング)を攻略した宮田は15位でフィーチャーレースを終えている。

 次戦となる第9戦スパ・フランコルシャンは7月25〜27日に、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催される。


■2025年FIA F2第8戦シルバーストン フィーチャーレース暫定結果



Pos./No./Driver/Team/Time/Gap
1/11/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/1:03’05.304
2/17/A.ダン/ロダン・モータースポーツ/0.227
3/7/L.ブラウニング/ハイテックTGR/0.838
4/8/D.ベガノビッチ/ハイテックTGR/1.369
5/9/S.モントーヤ/プレマ・レーシング/1.753
6/1/L.フォルナローリ/インビクタ・レーシング/2.215
7/6/R.フェルシュフォー/MPモータースポーツ/3.035
8/4/A.リンドブラッド/カンポス・レーシング/3.779
9/3/J.マルティ/カンポス・レーシング/4.186
10/25/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/4.467
11/5/O.ゲーテ/MPモータースポーツ/4.905
12/24/J.ベネット/ファン・アメルスフォールト・レーシング/5.333
13/23/M.エスターソン/トライデント/6.284
14/21/C.シールズ/AIXレーシング/6.502
15/15/宮田莉朋/ARTグランプリ/8.929
16/12/K.マイニ/ダムス・ルーカスオイル/20.277
17/16/A.コルデール/ロダン・モータースポーツ/24.874
18/22/S.メゲトゥニフ/トライデント/75.614
19/14/V.マルタンス/ARTグランプリ/DNF
20/20/J.デュルクセン/AIXレーシング/DNF
-/2/R.スタネ/インビクタ・レーシング/DNF
-/10/G.ミニ/プレマ・レーシング/DNF


・ファステストラップ:#4 アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成):2分00秒087(22/29) 176.601km/h

[オートスポーツweb 2025年07月06日]

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