帝国データバンクによると、2024年の建設業の倒産件数は過去10年で最多の1890件だった。物価高や建設現場での職人不足、人件費の高騰により事業の継続を断念するケースが目立つ。
日本人の5人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」が到来する中、建設業においてもノウハウを持ったベテラン技術者の引退が課題となっている。建設DXを手掛ける野原グループ(東京都新宿区)のBuildApp総合研究所は、建設産業従事者1257人に調査を実施した。
●ベテランのノウハウ、8割が失われてしまう!?
建設現場の円滑な進行には、ベテラン技術者が持つ仕事の段取りや関係会社とのやり取りに関するノウハウが欠かせない。ベテラン技術者の引退に伴い、81.0%がこうしたノウハウが「失われる可能性がある」と危惧しており、うち44.5%が「5年以内に失われる可能性がある」とした。
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●2人に1人「ノウハウや技術の継承が不十分」
ベテラン技術者から若手に対するノウハウや技術の継承について、「不十分だと思う」は54.3%(「非常にそう思う」16.5%、「ある程度そう思う」37.8%の計)となり過半数を占めた。
●ノウハウの伝達にはアナログ依存の現状が
ベテラン技術者が持つノウハウや技術は、若手にどのように伝えられているのか。「口頭での指導が中心」(36.2%)や「会議や現場での打ち合わせで共有」(33.3%)が上位を占めた他、「特に方法は取られていない」(26.9%)という声もあった。
調査は3月21〜31日、インターネットで実施した。
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「残業キャンセル界隈」の実態(写真:ITmedia ビジネスオンライン)368
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