再審制度見直しについて記者団の取材に応じる袴田ひで子さん=14日午後、浜松市 再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を自民党が了承したことを受け、静岡一家4人殺害事件で再審無罪となった袴田巌さん(90)の姉ひで子さん(93)が14日、浜松市内の自宅で記者団の取材に応じた。再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)が「原則禁止」とされたことに、「多少は進んだが、法務省は抜け道をつくらないようにしてほしい」と訴えた。
改正案では証拠開示がルール化されたが、限定的との指摘がある上、支援者や報道機関への提供など目的外使用も罰則付きで禁じられた。巌さんの再審開始は開示証拠を支援者が見たことがきっかけとなっており、ひで子さんは「全面開示にしてくれないと困る」と話し、国会審議での修正に期待した。
滋賀県の日野町事件でも、第2次再審請求で開示された証拠が再審開始につながった。無期懲役となり服役中に病死した阪原弘さん=当時(75)=の長男弘次さん(65)は「第1次請求で開示されていたら父は生きているうちに無罪判決を受けられたはずだ」と悔やむ。「国会審議でより良い法案になると信じたい」と力を込めた。
福井女子中学生殺害事件で有罪となり、服役後に再審無罪となった前川彰司さん(61)は13日夜取材に応じ、改正案に「抗告の全面禁止を訴えてきたので本意ではない」としつつ、「世の中が変わると思いたい。冤罪(えんざい)犠牲者が救われてほしい」と願った。