「無線のAIパラドックス」 8割の組織がWi-Fi投資増額の一方で明らかになった3つの課題

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2026年05月20日 13:10  @IT

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 Cisco Systems(以下、Cisco)は2026年4月2日(米国時間)、年次調査レポート「State of Wireless Report 2026」を公開した。30市場で従業員250人以上の組織に所属する無線ネットワーク分野の意思決定者と技術専門家6098人を対象に、調査会社Sandpiper Research & Insightsが実施した調査に基づく。


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●8割の組織が5年間でWi-Fi投資を増額


 IoT(モノのインターネット)やAIワークロード、4K/8Kストリーミング、AR/VR(拡張現実/仮想現実)といった高帯域アプリケーションの普及に加え、フリーアドレスやBYOD(私物端末の業務利用)といった働き方の変化が、無線ネットワーク刷新の主要な推進力となっている。


 これらのニーズに応えるために企業が行っている主要な対応は以下の通り。


・80%の組織が過去5年間で無線ネットワーク関連の支出を増加する


・29%は同期間に50%以上、予算を増加する


・82%が今後4〜5年も予算増を見込む


・35%は同期間に50%以上の増額を予定している


 無線ネットワーク関連への投資は過去・現在・将来の全ての期間で拡大傾向にあることが明らかになった。


 既にネットワークを刷新した組織では、1つの無線ネットワーク投資が複数のビジネス成果を同時に積み重ねて増幅させる「乗数効果」が確認された。報告された主な内容は以下の通り。


・78%が業務効率を向上させた


・75%が従業員生産性の改善と顧客エンゲージメント(顧客との関係性や利用度の深さ)を強化した


・68%が収益へのプラス影響を確認した


 無線ネットワーク投資は、業務効率や生産性の向上に加え、顧客エンゲージメントや収益にも波及する複合的な効果を持つことが示された。


●AI活用の明暗を分ける「無線のAIパラドックス」と3つの重点領域


 レポートはAIが無線ネットワーク関連へのROI(投資対効果)を高める最大の推進力である一方で、運用の複雑化とセキュリティリスクも同時にもたらす「無線のAIパラドックス」を指摘した。


 このパラドックスに潜む「複雑さ」「セキュリティ」「人材」という3つの相互に関連する課題を克服した組織は、そうでない組織と比べて4倍以上のROIを達成する可能性が高いとCiscoは指摘する。レポートが「優先的に取り組むべきだ」とした重点領域は以下の3点。


・運用の複雑さの低減


・98%が無線ネットワーク環境の複雑化を報告。高度な自動化を伴うAIOpsを導入した組織は26%にとどまるが、導入済みの組織では98%が大幅な効率改善を確認している


・節約時間は1人当たり1日平均3時間20分(年間850時間超)に上る


無線ネットワークセキュリティリスクの軽減


・半数超が無線ネットワークのセキュリティインシデントで金銭的損失を報告。そのうち半数は年間100万ドル(約1億5500万円《1ドル=約155円換算》)超


・被害組織の3分の1超はIoTまたはOT(制御系システム)デバイスの侵害が原因と指摘


無線ネットワーク人材の確保


・約9割の無線ネットワークリーダーが有資格者の採用に苦戦。AIやサイバーセキュリティ分野への人材流出が主因とされる


・採用困難な組織ではセキュリティインシデントコストが70%高い


●Wi-Fi 6E/7の導入が促進


 約5分の3の組織が今後1年以内に「Wi-Fi 6E」または「Wi-Fi 7」を導入する計画を示しており、6GHz帯への移行が促進している。


 Ciscoのアヌラグ・ディングラ氏(Enterprise Connectivity & Collaboration担当SVP兼GM)は、「企業のワークフォースは、人間とAIエージェント、自動化システムが機械速度で連携する混成チームへ進化している。Wi-Fiは全てのエンドポイントを接続し、全てのやりとりを保護し、運用上のインサイトを引き出す基盤だ。AIは今、企業ネットワークにとって最大の機会であると同時に最大の試練でもある」と述べている。



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