前回からの続き。私(モモコ)は息子のタケルが2才のときに元夫のユウジと離婚しました。あれから10年。自らの浮気を猛省したユウジは、今は全力でタケルの父親としての役割を果たそうとしているようです。タケルの野球チームに父親として積極的に関わり、コーチも務めてくれています。夫婦としてはうまくいかなかったけれど、両親として協力しあえるいまの関係に、私は満足していました。しかしある日、私が野球チームの練習試合を見に行くと……?
私が球場に到着すると、私の存在に気が付いたユウジが軽く手を挙げてくれました。私もそれにこたえるように手を振りかえしたのです。しかし周りからは、何となく視線を感じました。チームの他の保護者たちがヒソヒソ話をしている雰囲気も……。
離婚してから数年間は、私は本当にユウジのことが嫌いでした。浮気をされた嫌悪感で、顔を合わせるのも不快だったほどです。だからタケルの問いには「お父さんと仲良くいるためには、離れて暮らすことが一番なんだよ」と答えました。
偽装離婚!? 思いもしなかった言葉に、私は頭がついていけませんでした。でもそういえば練習試合のとき、ユウジと会話していると周りから何となく視線を感じました。どこからかヒソヒソ話をしている雰囲気も感じたし、チームの保護者たちに挨拶してもなんとなくよそよそしくされて……。
離婚しているにもかかわらず、ともに野球チームに関わって仲良さそうに話している私たち。確かにはたから見れば「仲の良い夫婦」そのものなのかもしれません。けれどまさか疑われてしまうなんて……。想像していなかった事態に、私は戸惑うばかりでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子