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Q. うつ病の友達への手紙に、「がんばれ」と書くのは非常識?
Q. 「友人がうつ病になってしまいました。自分に何かできることはないかと考えた末に、手紙を書いて、励ましたいと思っています。でも、うつ病の人に『がんばれ』といった言葉は避けるべきと聞いたこともあります。そのような言葉を書くのは非常識でしょうか?」A. 励ましの言葉は避け、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せましょう
うつ病で気持ちが落ち込んでいるときは、様々な言葉に過敏になってしまうことがあります。良かれと思ってかけた言葉が、逆に相手を追い込んでしまうことがあるのです。励ましの言葉も、注意すべき言葉の一つです。脳内が病的になった結果、本人がいくらがんばりたくても、がんばれなくなってしまうのが、うつ病なのです。「がんばれないこと」に悩んでいる相手に励ましの言葉をかけることで、気持ちがいっそう追い詰めてられてしまう可能性があります。
例えば、以下のような言葉には十分ご注意ください。
・がんばって
・元気を出して
・早く笑顔を見せてね
手紙を書く際には、無理に励まそうとしないことが大切。相手の気持ちに寄り添い、話を受け止める姿勢を示すことが大切です。
なお、うつ病には自死のリスクがあることも、決して忘れてはいけません。もしやり取りの中で自死をほのめかすような言動が見られる場合は、様子見は禁物です。すぐにご家族や主治医に共有し、迅速に適切なケアにつなげてください。
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中嶋 泰憲プロフィール
千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。(文:中嶋 泰憲(医師))