国民民主、勢い持続へ正念場=「年収の壁」、参院選左右

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2025年02月12日 08:01  時事通信社

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国民民主党大会を終え、記者団の取材に応じる玉木雄一郎代表(役職停止中)=11日午後、東京都墨田区
 国民民主党は11日の党大会で、「手取りを増やす」を最重点課題に掲げる活動方針を決めた。躍進した昨秋の衆院選以降、地方選でも好調を維持するが、看板政策の「年収103万円の壁」見直しで主張がどの程度実現するか見通せない。近く再開する与党との協議は夏の参院選の結果を左右しかねず、正念場となる。

 「安易に妥協するつもりはない」。古川元久代表代行は大会のあいさつで、協議再開に向けた決意を表明。役職停止中の玉木雄一郎代表は「これから数週間がヤマになる」と記者団に語った。

 自民、公明両党と国民民主の幹事長は昨年12月、「壁」に関して「178万円を目指して2025年から引き上げる」ことで合意した。ただ、与党には慎重論が根強く、25年度税制改正では123万円への引き上げが盛り込まれるにとどまった。

 国民民主は衆院選後、少数与党の状況を生かして「壁」見直しやガソリン減税の受け入れを自公に迫り続けた。「実績」を重ね、有権者の支持を広げる戦略だ。

 3党は税制調査会長協議を近く再開する予定。国民民主側にも一定の譲歩はやむを得ないとの空気があり、150万円前後で決着するとの観測が出ているが、それを世論がどう評価するか不透明感もある。

 与党は25年度予算案への賛成取り付けを狙い、日本維新の会とも高校授業料無償化を巡る協議を進める。自民関係者は「国民民主より維新の方が話ができる」と指摘。いずれかが賛成すれば予算案は衆院を通過するため、自公維協議の結果によっては国民民主の存在感は低下しかねない。

 連合の芳野友子会長は大会で、参院選に向けて「立憲民主、国民民主両党と連合が力を合わせて戦う態勢を構築したい」と強調したが、国民民主は野党間協力と一線を画す。勝敗を分ける全国32の「1人区」にも積極擁立する方針を活動方針に明記。1人区の候補者絞り込みを目指して維新が提案した「予備選」にも応じる気配はない。

 1月の北九州市議選では擁立した2人が各選挙区でトップ当選。今月9日投開票の横浜市議補欠選挙でも公認した新人が立民、維新、共産党の候補を退けて勝利した。これも国民民主の強気を後押ししている。

 ただ、頼みとする世論の離反を招きかねない混乱も生じた。昨年12月に発表した「25年度税制改革と財源についての考え方」に金融所得課税強化を明記したことに対し、インターネット上で問題視する投稿が続出。今月に入り、玉木氏が「私のミスだ。見逃していた」と述べるなど釈明に追われた。

 独自路線を強める国民民主には他の野党に不満がくすぶる。立民の閣僚経験者は「ネットの意見に振り回されている」と皮肉った。 

国民民主党大会であいさつする連合の芳野友子会長=11日午後、東京都墨田区
国民民主党大会であいさつする連合の芳野友子会長=11日午後、東京都墨田区


国民民主党大会で気勢を上げる古川元久代表代行(中央)ら=11日午後、東京都墨田区
国民民主党大会で気勢を上げる古川元久代表代行(中央)ら=11日午後、東京都墨田区

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  • ネットの意見に振り回されてるのはどっちかと言うと立憲民主じゃないかなあ?フィルターバブルの住人になってる印象。
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