自衛隊機が墜落した入鹿池で、回収した機体の一部とみられる破片を運ぶ自衛隊員=15日午前、愛知県犬山市 航空自衛隊の練習機「T4」が愛知県犬山市の入鹿池に墜落した事故で、空自は15日、行方不明となっている空自隊員2人の氏名を公表した。捜索は夜を徹して行われ、現場周辺から回収した機体の一部を分析し、墜落原因の究明も進める。
空自によると、事故機に搭乗していたのはいずれも第5航空団(宮崎県)所属の井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)。どちらが操縦していたかは確認中としている。
事故機は所属先の新田原基地(同県新富町)に向かうため、14日午後3時6分に小牧基地(愛知県小牧市)を離陸。同8分ごろ、基地の北東約13キロの犬山市付近上空でレーダーから機影が消えた。
空自によると、事故機は1989年9月の製造で、飛行前の点検で異常は確認されなかった。内倉浩昭航空幕僚長も事故後の記者会見で、「機体に特段の問題はなかったと承知している」と述べた。
一方、事故機には飛行データを記録するフライトレコーダーが搭載されていなかった。自衛隊は調査委員会を設置し、事故当時の詳しい状況を調べる方針だが、レコーダーがないため調査が難航する可能性もある。

自衛隊機が墜落した入鹿池で、回収した機体の一部とみられる破片をボートで運ぶ自衛隊員=15日午前、愛知県犬山市