
目の病気と予防、治療について学ぶ「目の健康講座」(京都府眼科医会など主催)が京都市で開かれた。研究者と専門医がアイフレイル(目の虚弱)や緑内障などを解説、早期発見のための眼底検査受診を求めた。
京都大医学研究科教授の辻川明孝さん(眼科学)は、加齢に伴う目の病気を説明した。
加齢とさまざまな要因で視機能が低下した「アイフレイル」について、「放置すると視機能がさらに低下し、自立機能低下や日常生活制限につながる」が、「視機能の維持改善によって健康寿命が延長する」として、早期発見と治療や対策の大切さを強調した。
高齢者が日常生活に制限が生じる要因は「腰痛症」「関節症」に次いで「目の病気」が多い。転倒・骨折のリスクも高まり、心身のフレイル(脆弱(ぜいじゃく))を悪化させる。視覚の不良や疾患は、うつ症状や認知機能低下のリスクが高まることも研究で分かった。趣味や運動、ボランティアなどへの参加も滞り、社会的な孤立にもつながるという。
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視覚障害は、緑内障や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、白内障など早期に発見できれば進行を抑制できる「介入可能な疾患が上位を占める」という。
国内で失明の最大原因となっているのが「緑内障」。視野が欠けていく疾患で、気が付かないうちに進行する。国内では40歳以上の5%が罹患(りかん)しているとされ、眼底検査を定期的に受けることが必要だ。
眼底検査で、出血で視力が低下する「加齢黄斑変性」と、そのリスク要因になる老廃物(ドルーゼン)も確認できる。加齢黄斑変性は治療しないと1〜2年で視力が半分に低下するが、治療(抗VEGF治療)である程度の回復も期待できる。高度近視の人の血管異常や、糖尿病網膜症などの網膜血管性疾患も、視力低下を伴っていない早期に発見して治療できる。「目の病気は初期は自分では気づかない」として定期的な検診の大切さを繰り返した。
眼底検査とともにアイフレイルの自己チェックも勧めた。「ふと気づいた見にくさを、年のせいと片付けないで、自分自身の視機能を振り返る機会にしてほしい」「失明につながる病気の最初の段階かもしれない」とし、自分の目の状態を意識して顧みる習慣を求めた。
(まいどなニュース/京都新聞)
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