お笑い芸人・藤井隆さん、タレント・井上咲楽さんが司会を務める、ABCテレビ・テレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい！」（毎週日曜、昼12時55分）。6月22日の放送には、結婚までに22年を費やしたという“新婚さん”が登場します。偶然出会ったその日に、妻の母が急逝するという運命のいたずら…。その後、妻はうつ病と診断され、長く外出もできない状態に。それでも夫はそばで寄り添い続けました。不屈の愛で乗り越えてきた2人の物語が描かれます。
【写真】偶然の出会いに…「母が会わせてくれたのかと今では思っている」と妻は語ります
今回の新婚さんは東京都東村山市に住む、昨年12月に結婚した41歳と40歳の夫婦です。出会いは2002年12月6日で、そのとき夫婦は18歳と17歳でした。沖縄県に生まれ高校卒業を機に上京した夫は、当時専門学校の1年生。授業後、友人のライブを観に西武線の上石神井駅へ。しかし途中で帰ろうと自宅のある小平駅へ向かいます。
一方、高校3年生のギャルだった妻はその日、友人と新宿へ。母の体が弱く介護をしていたため、遊びに出るのは3カ月ぶりでした。友人を西武線の田無駅まで見送り、自宅のある小川駅へ。その時、夫と同じ車両に乗り込んだことが、すべての始まりでした。
妻のことを「なんてかわいいんだ」と一目惚れした夫は、妻が降りた小川駅で下車し、このチャンスを逃すまいとカラオケに誘います。すると「よく見たらかっこいい」と気づいた妻はOKし、意気投合しました。
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久々の外出が楽しく、妻は上機嫌に。大量の携帯電話の着信に引っかかりつつも無視し続け、翌日会う約束をして家まで送ってもらいました。しかし、妻が帰宅するやいなや告げられたのは、母の突然の他界でした。享年48、急性心不全でした。妻が無視していた着信は父からの連絡だったのです。
妻は夫に翌日のデートを断る連絡を入れますが、断るための嘘だと思ってしまった夫は「告別式の情報を教えて」と聞きます。しかし、詳細な返答に事実だと分かった夫は、後日告別式に参列します。「まさか本当に来るとは」と妻は驚くとともに、その律儀さに惹かれたといいます。
全てが落ち着いた数週間後、2人は再会して交際を始めます。しかし妻にとって母の死のショックはあまりに大きく、「一人にしておくのが怖い」と夫が感じるほど、妻は暗くなってしまいました。そのため夫は専門学校の授業以外は妻の部屋で過ごすように。ある日、それが父に見つかりますが、「惚れているので住まわせてください」と願い出て快諾を得ます。当時、会社を立ち上げたばかりで、娘に何もしてやれなかったという父は、夫を見込んで3人での共同生活をスタートさせたのです。
夫の居候から約3カ月後、妻は外出するのも怖い状態へと悪化。病院ではうつ病と診断されました。目を離すと危ない状態が多かったこともあり、夫は父に「仕事を辞めてでも支えたい」と宣言します。それに対し父は「金は気にするな、娘を頼む」と応えました。娘の苦しみを見ていた父にとっても、夫の申し出は嬉しいものだったのでした。
その後、外出できない期間は8年間にもおよびました。「どうしてそこまで寄り添おうと？」という質問に、夫は「単純に好きだったから、支えたい、良くしたいという思いだけ」と答えます。一方で、8年が経ち「社会に出なければ」と葛藤していた妻は、たまたま着付け教室のネット広告を目にし、「やってみたい」と思ったそう。着物文化への理解を深めるための「きもの文化検定」を受けたいと相談すると、夫は喜んで背中を押してくれました。膨大な知識を要する検定に、妻は5年の歳月をかけて合格。さらには、着付けに関する知識と技能を評価する国家試験「着付け技能士検定」1級にも合格。自信を取り戻し、現在はフリーの着付師として活躍しています。
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そして交際を始めて22年の昨年12月、2人は晴れて結ばれました。現在は夫が購入した家で、妻の父と3人で楽しく暮らしているのだそう。番組ではその様子もVTRで紹介されます。
長い年月をかけて結ばれた2人の物語に「誰一人欠けてはいけない存在。みんなで支えてきたのが伝わった」とMCの井上さんが涙すると、藤井さんも「想像したら苦しい。たまたまその日に遊んだだけだったのに…」と、偶然の出会いの重さに言葉を詰まらせます。それに対して妻は「母が会わせてくれたのかと今では思っている」と語り、22年にわたる2人の歩みに、スタジオ中の涙が止まりませんでした。
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