ホーム > mixiニュース > コラム > 会社から冷遇? 50代社員の不安

会社に嫌われる50代のシビアな現実。評価も給与も下がる一方で…

157

2019年09月17日 16:22  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

写真写真
「逃げ切り世代」と呼ばれたはずの50代の足元が揺らぎ始めている。今年6月、損保ジャパン日本興亜が介護事業を手がけるグループ企業への配置転換も含めた4000人の人員削減を発表し衝撃が走った。50代に今、一体何が起ころうとしているのか? 会社に嫌われる50代社員500人アンケートを通じて、彼らを取り巻く、逃げ切れないシビアな現実に迫る。その先に待ち受ける未来とは?

◆真面目に働いているだけでは、50代は評価も給与も下がる一方

 経営陣や現役世代からシビアな目を向けられている50代。では、当の本人たちは、どんな思いで日々の職場を過ごしているのか?「会社に嫌われている」と感じている50代社員500人にアンケートを実施した。

Q1.現在の役職は何ですか?
・部長級 46人
・課長級 118人
・主任級 114人
・一般社員 220人
・役員級 2人
(対象:40代までに比べて会社からの評価が下がったと感じている50代男性会社員500人)

 まず、Q1からは彼らの約7割が課長未満にとどまっていることが判明。だが、これはミニマムで、今後はますますその割合が増えると人事ジャーナリストの溝上憲文氏は語る。

「ここ数年、大企業でも降格人事が普通に行われるようになっています。約3割の課長以上も一瞬の油断で役職を解かれます」

Q2.現在の年収に満足していますか?
・満足 8人
・やや満足 34人
・普通 131人
・やや不満 158人
・不満 169人

 続いてQ2では、現在の年収に「満足」(8人)、「やや満足」(34人)と回答した人は全体の1割にも満たなかった。裏を返せば9割以上が“給与以上の働きをしている”という自負をのぞかせるが「単なる過大評価」と組織コンサルタントの堀公俊氏は一蹴。

「能力が低い人ほど客観的に物事を認識する“メタ認知”が苦手とされます。そのため、自己と他者の能力差を正確に把握できず、無能な人ほど自己評価が高くなる傾向が表れる。これを“ダニング=クルーガー効果”と呼びます」

 経営学者の山本寛氏も「自己評価は他者評価の2割増し。過去の成功体験で得た武器が、今では錆びついた刀になっていることに気づいていない」と手厳しい。

 では、このように過大評価気味の50代社員は、何をきっかけに会社から嫌われていると感じるのか?

Q3.なぜ冷遇されていると感じるのか?
(当てはまるもの3つまで回答)

・給与が大きく下がった 213人
・役職や権限がはく奪された 121人
・定年が近いので仕方ない 111人
・これまでのキャリアとは無縁の部署に異動 72人
・社内でお荷物扱いされるようになった 60人
・管理職だが部下がいない 42人

 Q3では、「給与が大きく下がった」(213人)を筆頭に、「役職や権限がはく奪された」(121人)や「キャリアとは無縁の部署に異動」(72人)など人事的要因が続くが、これも「当人たちが感じているほど冷遇ではない」と溝上氏は続ける。

「年功序列が崩壊し、ここ数年で年齢給が50歳手前で打ち止めの企業が増加。さらに、役職定年や降格、左遷などで役割給とボーナスが削られる。これは当たり前の話で、今の50代には能力以上に給与を支払っている状態なので、“真面目に働く”だけでは、50代以降は評価が下がるのです」

 つまり、給与に見合っていないという会社からのメッセージ。しかし、それを冷遇と感じれば、職場での不安が募っていく(Q4)。

Q4.現在の職場での不安や悩みは?
(当てはまるもの3つまで回答)

・仕事にまったくやりがいがない 202人
・給料が下げられる 190人
・体力や精神的にキツい仕事に回される 98人
・突然のリストラ 74人
・周囲から見捨てられる 70人
・職場に居場所がない 48人

 特に、「仕事にまったくやりがいがない」(202人)が4割以上と、モチベーションの低下は深刻だ。

「健康寿命が延び、昔の50代よりも活力はあるのに、活躍の場がない。そのギャップは大きく、心が折れます」(堀氏)

 だが、会社が優先すべきは有能な若手。心が折れた50代に、救いの手は差し伸べられない。

◆追い出したい企業判断にもどこか楽観的心理の50代

 会社側から過酷な現実を突きつけられるなか、50代社員は残りのサラリーマン人生をどのように乗り切ろうと考えているのか?

Q5.このまま今の会社で定年・再雇用まで働けると思いますか?

・定年までは働ける 184人
・定年以降も再雇用で働き続ける 138人
・転職先が見つかり次第、会社を移りたい 67人
・毎日、今すぐにでも会社を辞めたいと思う 53人
・早期退職して起業・独立したい 39人
・降格、左遷など退職に追い込まれそう 11人
・定年前にリストラされると思う 8人

 Q5の回答を見ると、「定年までは働ける」(184人)、「定年以降も再雇用で働き続ける」(138人)と、6割以上が今の会社に残れると楽観視している。この状態を堀氏は「非常に危険」と警鐘を鳴らす。

「危機的状況にさらされると、都合の悪い状況や情報を過小評価しようとする心理=正常性バイアスが働く。その意味で、冷遇された50代の心理状態は、台風や津波で、わざと余裕のある行動を取って逃げ遅れる人と似ています」

 一方、人材育成を支援するFeelWorks代表の前川孝雄氏は50代を取り巻く社会的背景から次のように分析。

「日本企業特有の出る杭は打たれる“個”を許さない文化を叩き込まれていると、忍耐力だけは磨かれます。50代社員は、いまだ終身雇用を期待していることもあり、職場でメンタルやプライドをボロボロに砕かれても、耐え忍ぶことができるのです」

 だが、こうした“忍”の一字は、今の時代には諸刃の剣でもある。

「多くの50代にとって、ロールモデルは直属の上司だった60代。上目遣いで上司の機嫌を窺う『ヒラメ社員』たちは、当然自分も彼らと同じように定年まで逃げ切れると考えて耐え忍ぶ。しかし、現実はリストラが再燃しており、その願望は、もはやファンタジーでしかないのです」(溝上氏)

 会社の手のひら返しに合ってから目が覚めても、時すでに遅し。

Q6.会社員人生の後悔は何ですか?
(当てはまるもの3つまで回答)

・入る会社を間違えた 126人
・転職しておけばよかった 120人
・スキルアップに励んでおけばよかった 114人
・もっと家族との時間を大切にすべきだった 71人
・周囲が無能で理解されなかった 68人
・上司が嫌いでも我慢すべきだった 60人
・趣味に生きていればよかった 53人

 Q6で「入る会社を間違えた」(126人)、「周囲が無能で理解されなかった」(68人)とあるように、“自分は悪くない”と開き直っているようでは救いようがない。

「会社が何でも面倒を見てくれる“ファミリー”だと勘違いしてきた結果です。これはいまだ根強い日本企業の悪弊。50代はもとより、今の40代も依然として会社への帰属意識が強く、10年後もグチばかりを吐く無責任な50代が再生産される可能性があります」(堀氏)

 会社は都合が悪くなれば、いとも簡単に“ファミリーの原理”から“ビジネスの原理”へと切り替わる。だからこそ、転職先の確保やスキルアップで万が一に備えるべしと声高に叫ばれるのだが、多くの50代は切り捨てられる当事者となるまで重要性に気がつかない。

「しかも今後は、高年齢者雇用安定法の改正で70歳まで雇うことが義務づけられる。経営判断として50代のうちに追い出そうとするのが自然な流れで、後悔する暇さえなくなるでしょうね」(溝上氏)

 気づいたときには崖の下へと垂直落下だ。

<取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート協力/エコンテ アイブリッジ>

―[逃げ切れない50代の末路]―

このニュースに関するつぶやき

  • 1月あれば次の職場を決めたるのだが、どんな戯けがおるか楽しみだがや(笑)�ؤ�OK
    • イイネ!4
    • コメント 0件
  • こういうニュースで50代を批判している若い衆よ、あんたらも50代になったら、同じ目を見るよ、たぶん(笑)。
    • イイネ!70
    • コメント 4件

つぶやき一覧へ(98件)

あなたにおすすめ

前日のランキングへ

ニュース設定