電気代が1.5倍に!? エアコン暖房の掃除をサボると起きること【家電のプロが解説】

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2024年02月05日 21:21  All About

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寒い季節に大活躍するエアコン暖房ですが、正しい方法で掃除を行わないと、電気代にも悪影響を及ぼすかもしれません。今回は、掃除をしないことで起きるデメリットと、正しい掃除の方法や頻度を解説していきます。
寒い季節に大活躍するエアコン暖房。「定期的に掃除をしましょう」とはいわれているものの、中にはあまり掃除をせずに使っている人もいるかもしれません。

しばらくエアコンの掃除をしていない場合、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。エアコンの掃除の適切な方法と頻度、NG掃除法と併せて紹介します。

イヤなニオイが発生、さらに電気代が1.5倍に?

エアコンの上部にある吸気口には、内部にホコリなどを侵入させないようにフィルターが設置されています。フィルター自動お掃除機能を搭載するエアコンを除いて、基本的にはこのフィルターを定期的に掃除する必要があります。

フィルター掃除を長期間サボると、フィルターにたまったホコリを通った空気が部屋の中に流れるため、イヤなニオイが発生する恐れがあります。

もう一つの大きな問題が、「電気代が増えること」。フィルターにホコリがたくさんたまってしまうと、吸気口から空気を吸い込みづらくなるため、エアコンの暖房効率が悪化してしまいます。

環境省「みんなで節電アクション!」の「家庭でできる節電アクション」によると、フィルターが目詰まりしているエアコンでは冷暖房の効果が下がり、「冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になります」とあります。

ダイキン工業の「フィルター掃除と室外機周辺の片付けによるエアコンの節電効果を検証」によると、「フィルター掃除をしたエアコン」の1カ月換算の消費電力量が1.76kWh(約1637円)だったのに対し、フィルター掃除をせずに「約3年分のホコリがたまったエアコン」の消費電力量は2.62kWh(約2437円)。

約48.9%も余計な電力が消費されたとのことでした。電気代で考えると、およそ1.5倍ほどかかってしまうことになります。フィルターの掃除は節電の上でかなり重要ということですね。

フィルター掃除の正しい方法は?

では、エアコンのフィルターのお掃除はどのように行うのでしょうか。簡単に紹介しましょう。

本体のカバーを開け、直接掃除機をかける

ホコリがたまったままフィルターを取り外すと、付着したホコリが舞い上がってしまう危険性があります。できればエアコンに装着した状態で、直接掃除機をかけてめぼしいホコリを取り除きましょう。

本体からフィルターを取り外す

フィルターは本体の形に合わせてカーブした形で装着されているので、スライドさせて取り外します。取り外し方が分からない場合は取扱説明書を読んで確認しましょう。もし、本体に取り付けた状態で掃除機をかけていない場合は、取り外し次第かけるようにしましょう。

フィルターを水洗いする

油っぽいホコリが付着している場合もありますので、できれば洗剤を使ってしっかりときれいにしましょう。フィルターが変形したり、網目を傷付けたりしないように、強くこすらないように気を付けてください。

フィルターを乾燥させてから取り付ける

フィルターが濡れたままでエアコンに取り付けると、内部にカビが発生する危険性があります。そのため、洗ったフィルターはしっかりと乾かしてから取り付けるようにしてください。取り付けが完了して、エアコンのカバーを閉めたら完了です。

前述の「家庭でできる節電アクション」では、「2週間に一度は、フィルターの掃除をしましょう」としています。そこまでひんぱんに掃除しなくても大丈夫ですが、2週間から1カ月に1回くらいはカバーを開けてフィルターの状態を確認するといいでしょう。

家庭でのエアコンのお手入れは、このようなフィルター掃除だけで基本的にOKです。

洗浄スプレーを使うのはNG!

そして、エアコン掃除に絶対に使ってはいけないものがあります。それは「エアコン洗浄スプレー」と呼ばれる製品です。これを使ってエアコン内部を掃除するのは絶対にやめてください。

各メーカーでは、「故障の原因になる」「感電、発火の恐れがある」などの理由から、洗浄スプレーを使用しないように呼びかけています。エアコンを長年使い続けていると、エアコン内部の熱交換器と呼ばれる部分にカビなどの汚れが付着してしまうことがありますが、これをきれいにしたい場合は、専門業者などに依頼するようにしましょう。

最近では熱交換器を自動洗浄するエアコンも登場していますので、そういった上位機種に買い替えるのも一つの方法です。
(文:安蔵 靖志(デジタル・家電ガイド))

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