“膣の緩み”から夫婦生活が破綻?…医師に聞く女性特有のカラダの悩みと産後ケア

2

2024年02月15日 08:10  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

夫婦生活に影響も?女性特有のカラダの悩みと産後ケア
 妊娠・出産に伴う体の変化はさまざまあり、骨盤矯正や妊娠線の改善、体重増加の改善いった産後ケアサービスも一般的になった。しかしよりプライベートな悩みは、他人とはなかなか共有しづらく、1人で思い悩む人も多い。その悩みも膣の緩みから性交痛や尿漏れなど人それぞれで、心理面から夫婦生活にまで影響を及すこともある。婦人科形成による産後ケアについて、共立美容外科の新宿本院院長兼総括院長の浪川浩明さんに話しを聞いた。

【漫画】レス間際「したい」と言葉にするのが怖い…秒で寝る夫の横で悲しみに暮れる妻

◆膣の緩みに自覚症状はほとんどない…伸縮性の高い筋肉だけに産後伸びて戻らない状態に

──出産後に婦人科形成を訪れる方にはどのようなニーズがありますか?

「まず婦人科形成には、女性器の(1)見た目の改善、(2)機能の改善という2つのニーズがあります。出産後に最も多いのは(2)で、特に緩んだ膣を引き締めたいというニーズです。膣というのは非常に伸縮性の高い筋肉ですが、一度、赤ちゃんが通り抜けると、いわばゴムが伸びて戻らない状態になります」

──出産後の“膣の緩み”など、カラダの悩みから発展して夫婦生活や心理的に影響する人もいると思います。膣の緩みというのは自覚症状があるものなのでしょうか。

「膣内部というのはイメージに反して神経がそれほど過敏ではない場所なんです。ですから、ご自身で自覚されることはほとんどないでしょう。おそらく出産前に比べてパートナーが性行為で満足してくれなくなったなど、そういった理由で来院されるのではないかと思います。ただ、その原因が膣の緩みなのかまではわかりません。出産後に膣が緩むのは事実として、夫婦生活はプライバシーに関わることですから、来院の動機まではカウンセリングでも踏み込むことはしていません」

──産後に性交痛がするようになった、尿漏れがするようになったなどの悩みについてはどうでしょうか。

「そうした悩みもあるとは思いますが、領域が異なります。性交痛の原因はさまざまですので、まずはレディースクリニックを訪れるのが良いかと思います。尿漏れであれば泌尿器科ですね。婦人科形成の役割は外科手術によって実現できる女性器の機能を改善することで、コンプレックスを解消したり、生活の質を高めることにあります」

◆膣収縮手術後の傷跡はほぼ残らない 一方で出産は難産になるケースも

──膣の緩みの改善は、具体的にどのような手術を行うのでしょうか。

「膣というのは7〜8センチの筒のような形状をしています。簡単に言うと、この筒に切開を加えて縫い縮めるのが手術の内容です。目安としては、おおむね指2本を入れて窮屈に感じる程度にまで筒を狭くします」

──デリケートな部分だけに、とても痛そうです。

「もちろん麻酔はしますが、先ほども申しましたように女性器というのは意外に頑丈なんですね。何しろ赤ちゃんが通るくらいですから。また血流も良い場所なので、手術跡も非常に綺麗に治ります。ただし切開はしていますので、術後しばらくは繊細に扱ってください。性行為も1ヵ月ほどは控えていただくよう、お願いしています」

──手術のリスクはありますか?

「まず美容医療に限らず、どんな外科手術でもリスクゼロということはあり得ません。ただそれは『絶対に飛行機事故に合わない』とは言い切れないのと同じ話であって、だからこそ外科医は最大限の緊張感を持って仕事をしているわけです。もちろん万が一の事態にも備えています。共立美容外科では、そうしたリスクとリスクヘッジについてはカウンセリングでもお話ししていますので、納得されたら手術に進んでいただければ良いのかなと思います」

──そのほか留意しておくべきことはありますか?

「膣収縮手術というのは、いわば産道を狭くする手術です。ですから、この手術を受けた後に妊娠・出産される場合は、難産になる可能性があります。帝王切開を検討された方が良いかもしれません。そのためか、この手術をご希望されるのは、その後の妊娠をご希望されていない、30代以上の経産婦の方がほとんどです」

◆膣トレーニングやエクササイズでは、根本的な改善には至らない

──膣トレーニングというのを聞いたこともあります。一度緩んで締まった場合、筋力トレーニングやエクササイズなどの保存療法では、出産前に戻すことは不可能なのでしょうか?

「骨格筋(平滑筋)はトレーニングで鍛えられるのですが、 内臓筋はトレーニングでは鍛えられません。例えば、心臓の筋肉がそれにあたりますが、長距離を走るアスリートが、鍛えられないわけではないので、全く意味がないとも言えません。ですが、膣トレーニングをやっても、改善度合いは1割程度でしょう。また、トレーニングというよりは、本来持っている資質の問題にもよります。もちろん、トレーニングやマッサージも無駄とは言いませんが、根本的に改善させたいのであれば、婦人科形成ということになります」

──術後、患者さんからはどのような声がありますか?

「それがこの領域に関しては、ほぼ一期一会なんです。ようは1回限りでリピーターというのは、ほとんどいないんですね。私も20年以上のキャリアがありますが、術後の声もあまり聞いたことがありません。逆を言えば、ほとんどの方が、ご満足されているのではないかと思います。やはりデリケートな部分の話ですから、カウンセリング、手術、アフターケア、いずれにおいても患者さんの自尊心や羞恥心を傷つけない配慮は常に心がけています」

──昔と今とで婦人科形成の需要はどのように変わりましたか?

「昭和の頃は、処女膜再生という手術のニーズが高かったのですが、今はほとんどありません。それだけ世間体を気にするより、肉体的にも精神的にも自信を持って生きたいという個人のニーズが高まっているのだと思います。現在、婦人科形成で最も多いのは冒頭で申しました(1)女性器の見た目の改善です」

──婦人科形成を検討されている方にお伝えしたいことはありますか?

「目や鼻の美容医療は、昔に比べて一般的になりましたが、婦人科形成は今も人知れず深刻に悩みを抱えている方が多い領域です。だからこそ共立美容外科では、患者さんが鉢合わせしないように配慮するなど、プライバシーは徹底して厳守しています。また医者の性別のご希望も受けています。1人で悩んでおられるよりも、まずはカウンセリングを受けていただければと思います」

(文/児玉澄子)

このニュースに関するつぶやき

  • 私は膣の緩みはありませんからね!
    • イイネ!12
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定