レッドブル&HRC密着:ペレスのスピン、フェルスタッペンのコースオフ。“コプス”で苦戦しQ1で勝負がついた予選

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2024年07月07日 11:50  AUTOSPORT web

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2024年F1第12戦イギリスGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
 F1第12戦イギリスGPの土曜日。この日のレッドブル・ホンダRBPTの戦いは、予選Q1で決していた。

 土曜日のシルバーストンは朝から雨が降ったり止んだりの典型的なブリティッシュ・ウェザー。F1の予選の直前に行われたFIA F2は全車ウエットタイヤを履き、かつローリングスタートが切られていた。

 その雨もF2のレースが終了するまでには上がり、F1の予選は路面コンディションをいかに読むかがポイントとなった。

 気温18度、路面温度23度のなか、開始されたイギリスGP公式予選。雨は上がっていたものの、まだ湿ったままだったため、全ドライバーがインターミディエイトタイヤを装着して、コースインした。しかし、雲の切れ間から時折太陽が顔をのぞかせ、路面は刻一刻と変化していった。

 そんななか、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に続いて残り7分50秒でドライ(ソフト)タイヤに履き替えたのがセルジオ・ペレス(レッドブル)だった。ところが、コプス・コーナーでグリップを失い、コースオフした後にスピン。コントロールを失ったペレスはグラベルにはまって、動けなくなってしまう。

 ペレスは必死にグラベルから脱出を図るも、赤旗中断となり、マーシャルにマシンを回収されて、万事休すとなった。

「早めにスリックタイヤに履き替えたんだけど、 タイヤを温めようとしていたときにターン9(コプス)でロックして、コースアウトしてしまった。あれは自分のミス。チームをがっかりさせるような予選をしてしまい、本当に申し訳ない。金曜日も今朝もとても好調で、リズムもよかったのに、それを発揮できなかったのは残念だ。後方グリッドから挽回するのは難しいだろうけど、ベストは尽くしたい」

 予選は午後3時19分に再開。赤旗の間に路面はさらに乾き、かつQ1の終盤に雨が降る予報が出されていた。そのため、多くのドライバーが早めにアタックしてタイムを出そうと、再開後一斉にコースインしていった。

 そんななか、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)もまた、コプスの餌食となった。

「ターン7を抜けたあたりで雨が降り出したのは不運なタイミングだった。コプスのコーナー進入でスピードを落とそうとしたんだけど、グラベルに入ってしまった。グラベルの上を走ったことでフロアにかなりのダメージを負った」

 なんとかQ1を11番手で通過してピットインしたフェルスタッペン。コクピットにフェルスタッペンを乗せたまま、ガレージ内でメカニックがマシンを応急処置した。

「メカニックは懸命にフロアを修復してくれたが、フロントとリヤのバランスは最後まで戻らなかった。コーナーごとにアンダーになったり、オーバーだった。そんななかでQ3に進めたのはラッキーだったし、最終的に予選4番手を獲得できたのは本当にポジティブなサプライズだった」

 フェルスタッペンは予選後、そう振り返った。チーム関係者によれば、フロアにダメージを負っていたフェルスタッペンのマシンは、通常のダウンフォースより100ポイントも落ちた状態だったという。100ポイントは、タイムに換算すると、約1秒にも値する。

 今年のイギリスGPはイギリス人ドライバーが予選トップ3を独占した。そのなかでフェルスタッペンは4番手に終わったが、イギリス人のクリスチャン・ホーナー代表はこう評した。

「マックスのアタックも素晴らしかった。あれほど大きなダメージを受けながら、2列目を獲得できたのだから。この4番手は喜んで受け入れたい」
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