フェラーリ499P、初のアップデートをサンパウロで“前倒し”投入へ「タイム向上は期待していない」

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2024年07月11日 11:50  AUTOSPORT web

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2024年のル・マン24時間レースで総合優勝を飾った50号車フェラーリ499P
 フェラーリ499Pは、今週末の7月12〜14日にブラジルで行われるWEC世界耐久選手権第5戦サンパウロ6時間レースで、同車両にとって初めて、マシンにアップデートを投入する。フェラーリによれば、ブレーキ冷却ダクトを再設計したという。

 2023年にWECのハイパーカークラスにデビューし、ル・マン24時間レースを2連覇したこの車両には、ヘッドライトの下にフリックを導入するとともに、フロアの改良やガーニーフラップの調整など、空力面のアップデートも合わせて施される。

■当初予定を覆しての、早期投入を決断

 耐久レースのグローバル責任者、アントネッロ・コレッタによると、世界選手権での順位を受けて当初の予想よりも早く導入されたというこの変更は、499P初の『エボ・ジョーカー』の使用としてカウントされるものとみられる。

 コレッタは今年初め、記者団に対し、2025年まではマシンのアップデートは行わない可能性が高いと語っていた。

 しかし、フェラーリは現在、今年のハイパーカーのマニュファクチャラー・ランキングで2位に位置しており、ル・マン優勝ドライバーのアントニオ・フォコ/ニクラス・ニールセン/ミゲル・モリーナもシーズン後半に向けてドライバーズタイトル争いで2位となっている。

「ル・マンでの素晴らしい結果の後、世界選手権タイトルのトップ争いはさらに開かれており、シーズン後半では、チャンピオンシップを獲得するためにすべてのレースで最善を尽くすことが不可欠になる」とフェラーリの耐久レースカー責任者、フェルディナンド・カニッツォは説明した。

「(第5戦が行われる)インテルラゴス・サーキットでは、499Pの最初の改良版がデビューする。2023年シーズンに優れたパフォーマンスを見せたにもかかわらず、このクルマにはブレーキの冷却に限界があった」

「そのため、風洞とトラックで新しい冷却ダクトの設計を定義および開発し、気流の分布を変えて効率を高めた」

「この変更によりマシンバランスが影響を受けたが、車両の他の部分を調整することで、バランスを望ましい値に復元した」

「具体的には、アンダーボディを変更し、一部のガーニーフラップの高さを調整し、フロントヘッドライトの下に“フリック”を導入した」

「このアップグレードにより、技術規則で指定されたパフォーマンスウィンドウ内で、499Pのポジションを維持できるようになった」

「ラップタイムの向上は期待していないが、ブレーキ性能の面でより要求が厳しく決定的なサーキットで、クルマの汎用性が向上し、適応が容易になることを期待している」

 WECの規則により、今週末のブラジルでは、サテライトチームの83号車のエントリーを含む3台すべての499Pが、このアップデートを装備することになる。

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