ランボルギーニは水素カテゴリーに消極的「努力を分散させることはできない」とハイブリッド化に注力

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2024年07月11日 15:20  AUTOSPORT web

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2024年ル・マン24時間レースに出場したランボルギーニ・アイアン・リンクスの19号車ランボルギーニSC63
 ランボルギーニのCEO、ステファン・ヴィンケルマンは、このイタリアのブランドが将来的にWEC世界耐久選手権で水素プログラムを追求する可能性を否定した。

 トヨタ、アルピーヌ、BMWなどは、先月ACOフランス西部自動車クラブが2028年への導入延期を発表した、ル・マン24時間レースで開始される予定の水素クラスに興味を示しているが、ランボルギーニは異なる見解をとっている。

 ヴィンケルマンは、ランボルギーニはハイブリッド化に注力しており、現在はWECとIMSAウェザーテックスポーツカー選手権におけるLMDh車両『ランボルギーニSC63』を提供しているが、将来的には合成燃料と完全電気自動車も計画していると説明した。

 先月ル・マンで記者との会合中にランボルギーニが水素を検討する可能性があるかと尋ねられたヴィンケルマンは、「それは、当社にとって選択肢ではない」と答えた。

 ランボルギーニの最高技術責任者でモータースポーツの責任者代理を務めるルーベン・モーアは、「純粋に技術的な観点から言えば、興味深いことだ。だが、ランボルギーニとしては、従来の内燃エンジンによるハイブリッド化のロードマップを持っている」と述べた。

「我々は小さなブランドであり、これは技術開発の面にも当てはまる。我々は優先事項に集中する必要がある。1万もの異なることに、努力を分散させることはできない。我々には明確な戦略があり、水素は優先事項ではない」

■次期GT3車両はSC63とは異なるエンジンを搭載

 ヴィンケルマンは、ハイブリッド化の取り組みの最終段階は、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスにおいて、ウラカン・スポーツカーの後継車を発表することだと述べた。

 まだ名前が決まっていないこの車両のGT3バージョンは、2026年のレースデビューに先立ち、2025年にランボルギーニから発表されることになっており、2027年にはスーパートロフェオ・バージョンが続く予定だ。

「我々は、すべてのクルマをハイブリッド化する最初のスポーツカーメーカーになる。これは、顧客が非常に高く評価する、重要な成果だ」とウィンケルマンは続けた。

「我々の考えでは、第2段階は、スーパースポーツカーでできる限りハイブリッドを維持し、合成燃料でどのような機会があるのかを綿密に観察し、そうしたアプローチで次世代へと進むことだ」

「より日常的に使用できるクルマについては、昨年ペブルビーチでランザドール(電気コンセプトカー)で示したように、2030年代以降は完全電動化になると考えてる。これが我々の戦略だ」

 ウラカンの後継車はハイブリッドになるが、ローアはGT3バージョンはハイブリッドにならないことを明確にし、レースカーはSC63に搭載されている3.8リッターターボチャージV8ではなく、ロードモデルのベースエンジンを使用することも明らかにした。

「GT3にはバランス・オブ・パフォーマンスがあるので、ハイブリッドにはならず、エンジンを改造する必要がある」とローアは明言した。

 スーパートロフェオ・バージョンがハイブリッドになるかどうかについては、「可能性はあるが、これについては明確な意見がある。我々は、カスタマーの可能性に基づく必要がある」と付け加えた。

「クルマに高電圧を導入すると、(安全管理上)レーシングチームの構造を変える必要があるため、多くのカスタマーを除外することになる」

「我々はカスタマーのために、カスタマーレースを行っている。GT3には一部テクノロジーの分野があるが、カスタマーレースがすべてのベースラインだ。チームがオペレートできるクルマを用意する必要がある」

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